引見(読み)いんけん

精選版 日本国語大辞典 「引見」の意味・読み・例文・類語

いん‐けん【引見】

〘名〙
① (身分地位の高い人が、目下の人を)引き入れて会うこと。天皇の場合、非公式の時にいい、公式の時は謁見という。
参天台五台山記(1072‐73)四「成尋等申乞引見謹具状申聞」
大塩平八郎(1914)〈森鴎外〉六「昼四つ時に跡部坂本を引見(インケン)した」 〔春秋左伝杜注‐定公四年〕
※中右記‐保安元年(1120)六月二八日「予仰云、慥可引見、若一定不行者、雖他之年御慎非常赦年年例可勘申也」

ひき‐・みる【引見】

〘他マ上一〙
① 引いてみる。ひっぱってみる。
有馬大鑑迎湯抄(1678)「梓弓心つよくも引見むと思ひそめはの休所のたけ」
② 手もとに引き寄せて見る。近くに見る。親しく見る。いんけんする。
※家持集(11C前か)「あしひきの山すがのねをひきみつつわがかねごととゆめ人にいふな」
③ ためす。試みる。
幸若・とかし(室町末‐近世初)「御みの心をちっとひきみ申さむため也」

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デジタル大辞泉 「引見」の意味・読み・例文・類語

いん‐けん【引見】

[名](スル)地位の高い人が、人を呼び入れて対面すること。「法王使節引見する」
[類語]接見引接会う対面する面会する会見する会する落ち合う目通りする謁見する面接する面談する会談する見合い顔合わせお目にかかるまみえる拝顔する拝眉する拝謁する見参する謦咳けいがいに接する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「引見」の読み・字形・画数・意味

【引見】いんけん

貴顕の人に目通りする。〔漢書勝伝〕哀~固(もと)より已に其の名を聞く。(め)されて諫大夫と爲り、引見せらる。

字通「引」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の引見の言及

【見参】より

…平安時代より見られる用語で,目下の者が目上の者のもとへ参上して対面すること。また逆に目上の者が目下の者を出頭させ対面すること,すなわち引見,謁見。また官人が節会や宴会に出席することもいう。…

※「引見」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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