デジタル大辞泉 「御座す」の意味・読み・例文・類語
おわ・す〔おはす〕【▽御▽座す】
1 「ある」「居る」の尊敬語。存在する人を敬う。いらっしゃる。おいでになる。
「昔、
2 ものの所有者を敬って、そのものがあるの意を表す。おありになる。
「真実の心―・せむ人は、などか恥づかしとおぼさざらむ」〈大鏡・後一条院〉
3 「行く」の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。
「
4 「来る」の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。
「
5 (補助動詞)
㋐形容詞・形容動詞の連用形、断定の助動詞「なり」の連用形「に」などに付いて、…であるの意の尊敬語。…ていらっしゃる。
「世に知らずさとうかしこく―・すれば」〈源・桐壺〉
「
㋑動詞の連用形、または、それに「て」を添えた形に付いて、動作の継続の意を添える「ある」、経過・移動の意を添える「行く」「来る」などの尊敬語。…ていらっしゃる。…ておいでになる。
「かかる人も世に出で―・するものなりけりと」〈源・桐壺〉
[補説]上代の「います」に代わって、平安仮名文学で多用された尊敬語。ただし、平安時代でも訓点語としては「います」が用いられ、「おはす」はほとんど使用されていない。活用については、四段・下二段の両用とする説もあったが、いずれも確例がなく、サ変とみるのが穏当である。しかし、後世には、四段活用として用いられた例もみられる。
「
[類語]居る・