ある語の典型的用法と感じられるものだけを取り出し、場面や文脈の影響で変容したと考えられる部分を取り除いたあとに残る、その語固有の意味。これは、語の使用者の大部分が、共通して社会習慣的に結び付けている心的内容ということもできる。意義素は、さらに小さい要素である意味特徴に分析されうる。意義素を規定する条件は、第一は体系的なもので、他の語との区別に必要な要素は最小限度含まれる。第二は用法上のもので、場面や文脈上の使用制約が含まれる。具体的な事物をさす名詞などの場合には、これでは不十分なことがあり、社会・文化的知識の形で意味要素が加えられることがある。その外縁ははっきりとはしておらず、徐々に共通性が落ちていくという形をとる。意義素を構成する意味特徴相互の間では重要度が異なることがあり、主要なものと周辺的なものが区別される。具体的使用に際しては、一部の意味特徴が抑圧されて用いられないことがあるが、ここにも程度差が認められる。意義素の概念は、最初、服部(はっとり)四郎により1953年(昭和28)に提唱され、最近になって外国でも似たような考え方がなされるようになった。
[国広哲弥]
『服部四郎著『言語学の方法』(1960・岩波書店)』▽『国広哲弥著『意味論の方法』(1982・大修館書店)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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