手薬練引く(読み)テグスネヒク

デジタル大辞泉 「手薬練引く」の意味・読み・例文・類語

手薬練てぐすね・く

十分用意して待ちかまえる。準備して機会を待つ。「―・いて待ち受ける」
滑りをとめて弓返りを防ぐため、弓手薬練を塗る。
「―・き、そぞろ引いてぞ向かひたる」〈保元・中〉
[類語]待つ待ち構える待ち受ける控え控える待ち設ける待ち伏せる待ち侘びる待ちあぐむ待ちあぐねる待ちくたびれる待ち明かす待ち伏せ待ちぼうけ待機心待ち鶴首満を持す首を長くする爪を研ぐ身構える身構えスタンバイ待ち遠しい待ちどお待ち望む待ち焦がれる待ち兼ねる待望切望熱望希求願う一日千秋腕をさする腕をしびれを切らすそわそわ待てど暮らせど待ち切れない

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「手薬練引く」の意味・読み・例文・類語

てぐすね【手薬練】 引(ひ)

  1. 弓手に薬練(くすね)を塗る。弓返りを防ぎ速射を可能にする。また、手につばをつけて両手をすり合わせる。
    1. [初出の実例]「ここを射よと鞭のさきにて打叩て、御前の雑人をのけられ候へとて、手(テ)ぐすね引(ヒ)き、そぞろ引てぞ伺たる」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)中)
    2. 「鑓をまつ直に付立て、手につばきを付て、手ぐすねを引」(出典:三河物語(1626頃)二)
  2. 転じて、十分に準備して機会を待つ。あらかじめ用意して待ち構える。
    1. [初出の実例]「一夜此御庵室に候はんとて参て候といひければ、上人うちにて手ぐすねを引て、〈略〉あかり障子をあけてまち出けり」(出典:井蛙抄(1362‐64頃)六)
    2. 「そりゃそりゃ来たぞと三人が、手ぐすね引たる顔色」(出典:浄瑠璃・女殺油地獄(1721)上)

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