デジタル大辞泉
「控え」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ひかえひかへ【控・扣】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「ひかえる(控)」の連用形の名詞化 )
- ① ひきとどめること。とめること。
- [初出の実例]「何とぞおもしろき中程にて、神仏の御ひかへあって」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)三)
- ② 内輪にすること。十分にしないこと。見合わせること。残しておくこと。遠慮すること。
- [初出の実例]「わかままなことおひかゑなしにかやうに申ますほとに」(出典:重刊改修捷解新語(1781)一)
- ③ 不時の用に備えること。万一の場合のためにあらかじめ準備すること。また、そのものやその人。「控えの投手」
- ④ 後日の用のために記録しておくこと。また、そのもの。また、正式の書類とは別に、写しとしてとっておくもの。
- [初出の実例]「細字に認めた控(ヒカヘ)を取り出す」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一八)
- ⑤ 傍にあって加護すること。神仏などが、そばにいて助け守ること。
- [初出の実例]「仏神のひかへにして二たびよみがへりのあるまじき事にもあらす」(出典:浮世草子・新可笑記(1688)二)
- ⑥ 時の来るのを待つこと。待機すること。また、そのための場所やその人。また、主たる室に付属する部屋。
- [初出の実例]「その下の暗い板の間は、明るい広い店の間の次の控えで」(出典:格子の眼(1949)〈島尾敏雄〉)
- ⑦ 立花で、請(うけ)と流(ながし)の間に添えて、左右のつりあいをとる枝。控枝。また、その配置。
- [初出の実例]「扣枝(ヒカヘ)は、副(そへ)のたけにひとしきはあしし」(出典:男重宝記(元祿六年)(1693)三)
- ⑧ 馬をつなぎとめる綱。
- [初出の実例]「朽たる縄のひかへにて、荒たる駒は留るとも、頼なきは人心」(出典:浄瑠璃・源頼家源実朝鎌倉三代記(1781)三)
- ⑨ 石積みで、他の石より多く壁の中に入りこんで倒壊するのを防ぐ石。〔日本建築辞彙(1906)〕
- ⑩ 和船を櫓で漕ぐとき、船首を左へ向けること。また、舟方の語で、小舟で、櫓によって取舵(とりかじ)にすること。⇔おさえ。
- ⑪ 壁、建物などが傾くのを防ぐ支え。〔日本建築辞彙(1906)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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