扶養控除(読み)フヨウコウジョ

デジタル大辞泉 「扶養控除」の意味・読み・例文・類語

ふよう‐こうじょ〔フヤウコウヂヨ〕【扶養控除】

所得控除の一。所得税納税義務者に配偶者以外の扶養親族がある場合、その人数に応じて一定額を所得金額から差し引くこと。
[補説]扶養親族の年齢と控除額
扶養親族の年齢扶養親族の区分扶養控除の区分住民税所得税
16~18歳一般扶養親族一般扶養控除33万円38万円
19~22歳特定扶養親族特定扶養控除45万円63万円
23~69歳一般扶養親族一般扶養控除33万円38万円
70歳以上老人扶養親族(同居老親等)老人扶養控除45万円58万円
70歳以上老人扶養親族(同居老親等以外)老人扶養控除38万円48万円

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「扶養控除」の解説

扶養控除

子どもや親など配偶者以外で生計が同じ16歳以上の親族がいる場合、課税対象となる所得から一定の金額を差し引き、納税額を軽減する制度。養う家族の人数に応じて税負担を調整するために設けられている。親族の給与収入が103万円を超えると適用できない。控除額は親族の年齢や同居の有無によって異なり、19~22歳の控除が最も大きい。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

精選版 日本国語大辞典 「扶養控除」の意味・読み・例文・類語

ふよう‐こうじょフヤウコウヂョ【扶養控除】

  1. 〘 名詞 〙 所得税を計算する際に、扶養親族の人数に応じて一定の金額を所得金額から差し引くこと。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「扶養控除」の意味・わかりやすい解説

扶養控除 (ふようこうじょ)

所得税,住民税に設けられている制度で,納税者が扶養親族(配偶者を除く)をもつ場合,その年度税額を計算するとき,一定の金額を課税標準から控除することを指す。所得控除の一つで,配偶者控除基礎控除などとともに課税最低限を構成する。この制度は,納税者の扶養親族数が多ければ多いほど納税者の担税力が低下するので,そのような個人的事情を考慮して適正な税負担を求めることを意図している。いまや扶養控除は各国税制で広く取り入れられている。日本では1920年に所得税に設けられた扶養控除が初めである。当時は少額所得者の所得が少なくなるにしたがい,3段階に分けてその控除額が増大するという制度をとった。現代では,納税者が扶養親族をもつときは,納税者のその年度分の総所得金額から扶養親族1人につき38万円(老人扶養親族は48万円,同居老親等は58万円,同居特別障害者は73万円。2006年度)を控除する制度をとっている。また基礎控除,配偶者控除(日本では38万円)とのバランスについては各国ともさまざまである。日本では,従来は家族規模が大きくなっても生計費は比例的に増えるとはいえないとして,基礎控除にくらべ扶養控除は低かったが,最近は3者とも同額の控除が認められている。
所得税
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「扶養控除」の意味・わかりやすい解説

扶養控除
ふようこうじょ

所得税を計算する過程で総所得金額から差し引く所得控除の一つ。所得税の納税義務者に所得税法上の扶養親族がいる場合,その人数によって一定額が控除される。控除の対象となる扶養親族とは,配偶者以外の親族(6親等内の血族および 3親等内の姻族),または都道府県知事から養育を委託された児童(里子)や市町村長から養護を委託された老人で,納税者と生計を一にしていること,年間の合計所得金額が 38万円以下であること,原則として青色申告者(→青色申告)の事業専従者としてその年に一度も給与の支払いを受けていないこと,白色申告者の事業専従者でないこと,のすべての要件にあてはまる者をさす。さらに,一般の扶養親族,特定扶養親族(12月31日現在,満 16歳以上 23歳未満),老人扶養親族(12月31日現在,満 70歳以上)に区分され,扶養親族が同居特別障害者であるか否かによって扶養控除額が異なる。地方税法においても個人の住民税について扶養控除の制度がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「扶養控除」の意味・わかりやすい解説

扶養控除【ふようこうじょ】

所得税につき,納税者に扶養親族(納税者と生計を一にする配偶者以外の親族でその所得が一定額以下の者)があるとき,納税者の総所得金額から扶養親族1人当り一定額(控除対象配偶者のないときは特例がある)を控除して課税標準を計算する制度。配偶者控除,基礎控除と同様の人的控除の一つ。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

会計用語キーワード辞典 「扶養控除」の解説

扶養控除

扶養控除とは、納税者に所得税法上の扶養親族がいる場合に受けられる所得控除のことです。

出典 (株)シクミカ:運営「会計用語キーワード辞典」会計用語キーワード辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の扶養控除の言及

【課税最低限】より

…所得税,住民税において,ある一定の所得金額を超えれば課税される限界を指す。所得税の課税最低限は,基礎控除,配偶者控除,扶養控除の3控除で一定金額が画されている。しかし一般には,給与所得者については給与所得控除と社会保険料控除がプラスされ,また事業所得者については専従者控除と社会保険料控除がプラスされ,それぞれの課税最低限とされている。…

※「扶養控除」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android