生計を共にする16歳以上の親族がいる場合、課税対象となる所得から一定額を差し引き、納税額を軽減する制度。子どもや親を養う経済的な負担を抑えるために設けられた。年間の合計所得が48万円以下の親族が対象で、控除額は親族の年齢によって異なる。16歳未満を対象とした年少扶養控除は民主党政権下の2010年、子ども手当(現児童手当)が創設されたことに伴い廃止された。
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所得税,住民税に設けられている制度で,納税者が扶養親族(配偶者を除く)をもつ場合,その年度の税額を計算するとき,一定の金額を課税標準から控除することを指す。所得控除の一つで,配偶者控除,基礎控除などとともに課税最低限を構成する。この制度は,納税者の扶養親族数が多ければ多いほど納税者の担税力が低下するので,そのような個人的事情を考慮して適正な税負担を求めることを意図している。いまや扶養控除は各国の税制で広く取り入れられている。日本では1920年に所得税に設けられた扶養控除が初めである。当時は少額所得者の所得が少なくなるにしたがい,3段階に分けてその控除額が増大するという制度をとった。現代では,納税者が扶養親族をもつときは,納税者のその年度分の総所得金額から扶養親族1人につき38万円(老人扶養親族は48万円,同居老親等は58万円,同居特別障害者は73万円。2006年度)を控除する制度をとっている。また基礎控除,配偶者控除(日本では38万円)とのバランスについては各国ともさまざまである。日本では,従来は家族規模が大きくなっても生計費は比例的に増えるとはいえないとして,基礎控除にくらべ扶養控除は低かったが,最近は3者とも同額の控除が認められている。
→所得税
執筆者:古田 精司
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…所得税,住民税において,ある一定の所得金額を超えれば課税される限界を指す。所得税の課税最低限は,基礎控除,配偶者控除,扶養控除の3控除で一定金額が画されている。しかし一般には,給与所得者については給与所得控除と社会保険料控除がプラスされ,また事業所得者については専従者控除と社会保険料控除がプラスされ,それぞれの課税最低限とされている。…
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