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採集狩猟文化 サイシュウシュリョウブンカ

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デジタル大辞泉の解説

さいしゅうしゅりょう‐ぶんか〔サイシフシユレフブンクワ〕【採集狩猟文化】

植物の採集や狩猟・漁労によって得た食料を生活基盤とする文化。

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世界大百科事典 第2版の解説

さいしゅうしゅりょうぶんか【採集狩猟文化】

人類進化史上,狩猟はきわめて重要な役割を果たしてきた。植物性食物や昆虫などの採集をもっぱらとする霊長類の中で,常習的に狩猟を行い肉食をとりいれたグループがヒトへの進化の道をたどった。狩猟およびその結果としての肉食は,第1に協同と分配を特徴とする。大型動物の狩猟には何人もの男たちの協同作業が不可欠であり,また,こうして得られた貴重な肉は美味であるうえに希少価値も高く,したがって,集団内で分配されなければならない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

採集狩猟文化
さいしゅうしゅりょうぶんか

植物性食物を採集し、動物を狩るという生活様式は、地球上に最初の人類が誕生して以来およそ300万年にわたって人類の進化史を支えてきた。現生人類は約3万5000年前に出現したが、農耕と牧畜という生業形態が芽生えたのは約1万年前に至ってからのことであり、農耕民と牧畜民が人類の多数派となったのはさらにあとのことである。今日では、採集狩猟民は、文明から遠く隔たった地球上の辺境の、農耕や牧畜に不向きな環境のもとに少数が残存しているにすぎないが、彼らの生活様式は、今日なお人類の原初的な文化の伝統を引き継いでいる。
 採集狩猟民諸集団の自然環境は、熱帯の森林や半砂漠から極北の氷原まで多岐にわたり、彼らの文化にはそれぞれの環境への適応によって生じたさまざまな相違があるものの、食糧獲得経済に必然的に伴う一般的共通性が存在する。彼らは環境の改変や統御をほとんど行わず、自然資源に全面的に依存した「手から口へ」の経済生活を営んでおり、長期的な食糧の加工保存や備蓄を行わない。そのため彼らは、頻度や期間には差異があるが、周期的に一定のテリトリー(領域)内を季節移動する。一方、ボートや犬ぞりを利用するエスキモーを除けば、彼らの移動と運搬の手段は人力だけであり、そのため彼らが所有できる家財道具は、一度に背負って運搬できるだけの量に限られる。したがって、採集狩猟民の物質文化は簡素で貧弱であることが著しい特徴となっている。
 移動的生活様式は、彼らの経済・社会組織にも強い影響を与えている。採集狩猟社会の人口密度は希薄であり、食糧資源にもっとも恵まれた環境に住む部族でも1平方キロメートル当り1人に満たず、大部分の社会は0.5~0.1人またはそれ以下にとどまっている。こうした移動的社会集団をバンドといい、成員は数十人から100人前後である。バンドは一般に血縁集団であることが多いが、バンド内部の家族間を結び付ける規則性は明確でない。しかし一般的に父系的傾向が強いようにみられるのは、夫方居住婚、バンド外婚の結果からもたらされたものである。このように、バンド間には婚姻を通じて親族関係が結ばれているが、バンドを超えたより大きな集団や統合機構は存在しない。
 経済・社会生活の単位は一般に核家族であり、家族内およびその集合体であるバンドのなかでは、性と年齢に基づく分業や協同が行われるが、それ以上の特殊な分業化や専門化はみられない。そして互酬的な分配や交換を通じて、バンドの成員の平等性が保たれている。バンドを統括する首長や権威者は存在せず、個人が知識と経験の豊かさや能力に応じて、バンド生活の個々の場面で影響力をもつことはあるが、政治的にもバンドの成員は基本的に平等であり、バンドの統合機構は慣習的な規範にゆだねられている。このようにバンドは本質的に家族の集合体にすぎない。採集狩猟民が生計維持のために費やす時間は、1日平均3~4時間といった程度であり、彼らは豊富な余暇の時間を談笑や歌と踊りなどによって過ごし、これらを通じてバンド内のコミュニケーションが絶えず保たれるのである。[丹野 正]
『E・R・サーヴィス著、蒲生正男訳『現代文化人類学2 狩猟民』(1972・鹿島出版会) ▽S・ヘンリ著『採集狩猟民の現在 生業文化の変容と再生』(1996・言叢社) ▽遠藤匡俊著『アイヌと狩猟採集社会 集団の流動性に関する地理学的研究』(1997・大明堂) ▽小島曠太郎・江上幹幸著『クジラと生きる 海の狩猟、山の交換』(中公文庫)』

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