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 やり spear; javelin

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


やり
spear; javelin

鑓,鎗とも書く。武器,狩猟具の一種。弓矢とともに世界各地に認められる道具であるが,その出現は古く,後期旧石器時代ソリュートレ文化には,月桂樹葉状のすぐれた石槍が現れた。日本でも縄文・弥生時代に石製の槍先が存在し,金属器が伝わると銅製や鉄製の,槍が出現した。

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デジタル大辞泉の解説

そう【槍】[漢字項目]

人名用漢字] [音]ソウ(サウ)(呉) [訓]やり
〈ソウ〉やり。「槍術真槍・刀槍」
〈やり〉「槍先手槍
[名のり]ほこ

やり【×槍/×鎗/×鑓】

長い柄の先に細長い剣(穂)をつけた武器。鎌倉末期からもっぱら戦場で用い、室町末期には道具と称して、これを重んじた。穂の形により、素槍・鎌槍・十文字槍・鉤(かぎ)槍などがある。「―をしごく」
槍を使うわざ。槍術。
陸上競技の槍投げに用いる槍。男子は長さ2.6~2.7メートル、重さ800グラム以上、女子は長さ2.2~2.3メートル、重さ600グラム以上。
将棋の香車。
[補説]「鑓」は国字。

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百科事典マイペディアの解説

槍【やり】

鎗,鑓とも書く。おもに突き刺すのに用いる武器。木製の長い柄に鋭い穂をもつ。穂は木・骨・金属。日本最古の槍は後期旧石器時代の石槍。鎌倉末期から合戦に登場し,室町期には最も重要な武器となった。
→関連項目武器

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


やり

刺突武器の一つ。長い柄(え)の先に鋭利な刃物を着装し、これを手に持って敵を突き刺すか、またはこれを投げ付けて目標物に命中させたりした。利器としての槍は、狩猟をはじめ、戦闘、または儀礼などに用いられた。[渡邉一郎]

日本の槍

鎗、鑓などとも書く。わが国で、槍が戦場に登場するのは鎌倉末期で、元寇(げんこう)の役(えき)の際の苦い経験により、その対抗策として考案されたものともいわれ、これが接戦武器としての有利性を認められたのは南北朝の動乱期であった。さらに室町中期の応仁(おうにん)の乱以降、戦国時代にかけて、合戦の様相が従来の一騎打ちから歩兵の集団戦闘へと推移すると、足軽(あしがる)たちの槍隊(やりたい)の活躍が戦いの帰趨(きすう)を決するほどになった。やがて戦国末期には、槍隊の組織化も進み、戦法も向上して、長槍の使用が盛んとなり、6尺または9尺の手槍(てやり)から2間以上の長柄物(ながえもの)が現れ、足軽長柄隊の活躍が目覚ましく、一番槍とか七本槍など、槍の巧名話(こうみょうばなし)が人々に語り継がれている。一方、安土(あづち)桃山時代を経て近世の初期にかけ、槍の種類も増え、素槍(すやり)以外に鎌槍(かまやり)が現れ、ついで鍵槍(かぎやり)・管槍(くだやり)が加わり、これに伴って操法の研究も進み、刀槍(とうそう)の術が分化して、槍術(そうじゅつ)独自の流派が相次いで成立した。さらに徳川幕府の安定化とともに、槍は武家の表道具(おもてどうぐ)としてまた家門(かもん)の名誉の象徴となり、また槍術も技法的にいっそう洗練されて、武芸四門の一つとして重用された。[渡邉一郎]
槍の種類
元禄(げんろく)(1688~1704)ごろの兵学者、神田白龍子(かんだはくりょうし)の『和漢武家名数(わかんぶけめいすう)』によれば、わが国の槍の制五等として、「直槍(すやり)・綱叉(十文字)・鑰(かぎ)・片鎌(かたかま)・管槍(くだやり)」の五つをあげ、これに大身槍(おおみやり)の代表として、佐分利(さぶり)流の名からとった佐分利を加えている。
(1)素槍 直鎗・寸鎗・白鎗・速鎗などと書き、槍本来の基本的なまっすぐに突くことを主体とする。また、穂(ほ)(身(み))の肉付けの恰好(かっこう)によって、笹穂(ささほ)・柳(やなぎ)葉・椿(つばき)葉・枇杷(びわ)葉・杉形(すぎなり)・銀杏(ぎんなん)などとよぶ形のものがある。
(2)鎌槍 戦国時代におこったもので、穂に鎌が出ている横手もの、左右いずれかの片鎌(かたかま)と、両側に出ている十文字とがあり、十文字には牛角(ごかく)十文字、上り鎌十文字、下り鎌十文字、上下鎌十文字など数十種の変形がある。
(3)鍵槍 桃山時代におこったもの。鉤槍・鑰槍とも書く。柄の太刀打(たちうち)のところに鉤(かぎ)形の金具を固着させ、これを利用して敵の武器を抑制し、勝ちを得る。
(4)管槍 慶長(けいちょう)(1596~1615)以後急に顕著となったもので、素槍の柄に立鼓(りゅうご)形の手の握りにあった短管を通し、これを左手で握り、右手で槍を走らせる。
(5)大身(おおみ)槍 槍の穂は3、4寸から5、6寸のものが一般的で、平均7、8寸であったが、大身槍は、1尺以上3尺という長い身をつけた槍をいう。
(6)片刃(かたは)槍 穂はその断面から両鎬(もろしのぎ)(菱(ひし)形)・平三角(ひらさんかく)・正三角などに区分されるが、南北朝時代、肥後の菊池一族が用いたという菊池槍のように片刃の特殊なものもあった。
(7)短槍 一般の持槍(もちやり)よりとくに短い槍で、用心槍(ようじんやり)(枕(まくら)槍 6尺以下4尺)や斤侯(せっこう)用の細い短めの物見(ものみ)槍や忍(しのび)槍、また駕(かご)槍、接柄(つぎえ)式の継(つぎ)槍などが考案された。[渡邉一郎]

世界各地の槍

長い木の先端を石器で整形したり、焼き固めただけの槍は、旧石器時代前期に存在した。中期以後は、石製の尖頭器(せんとうき)が柄(え)に装着するようになる。黒曜石、石英岩などの堅い石のほか、骨などが穂先に使われ、これらが樹液や蜜蝋(みつろう)で柄につけられ、皮紐(かわひも)や植物繊維で固定される。早くから、手に持って突く「突き槍」と投げ付けて使用する「投げ槍」に分化し、「あご」はすでに旧石器時代に発明されていた。世界の諸民族の例をみると、狩猟民は、傷ついた動物をしとめたり、肉食獣から身を守るためにも重い「突き槍」を持つことが多い。東アフリカの遊牧民であるマサイやサンブルの戦士が持つ槍もこの種である。これに対し、アフリカのピグミーは、1メートルほどの短い突き槍を巧みに使い、ゾウをしとめる。ゾウの現れる沼地で、自分の臭(にお)いを消すために泥を身体に塗り、ゾウの腹の下に潜り込んで槍を突き刺して逃げる。これは、ゾウのように動作が緩慢な動物に対して有効な手段であるが、敏捷(びんしょう)に動き回る獲物に対しては、命中率を高める構造上のくふうが凝らされた。イラクの沼沢地に住む人の漁労用の槍やエスキモーの鳥を落とす槍がそれで、いずれかに当たるように複数の尖頭器を備えている。ポリネシアのフィジー島では、この型の槍の穂先にアカエイのとげを用いている。一方で命中率を高めるため、槍自体の構造とは別の点にも注意が向けられた。投槍器(とうそうき)の発明である。槍をこの装置の上に置き、放つのであるが、この装置はいわば長い腕の役割を果たすわけで、投槍器の発明によって推進力と射程は増大した。
 ほかの武具同様に、槍はこうした実用的な側面のほかに、威信、権力の象徴として、あるいは狩猟や戦闘に関連する儀礼のなかで重要な要素として登場する例が数多くみられる。[関 雄二]

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