済む(読み)スム

デジタル大辞泉 「済む」の意味・読み・例文・類語

す・む【済む】

《「澄む」と同語源》
[動マ五(四)]
1 物事がすっかり終わる。「契約が―・む」「株主総会が無事に―・んだ」
2 借りを全部返す。「借金が―・む」
3 予想していた程度以下や範囲内で収まる。解決される。また、その場はそれで用が足りる。間に合う。「幸い、軽傷で―・んだ」「電話一本で―・むことだ」「罰金だけで―・んだ」
4 気持ちのうえで満足する。気持ちが安らぐ。「君の気が―・むまでなぐってくれ」
5 他人に対して言い訳が立つ。多く、打消し・反語の意を表す語を伴って、他人に謝罪する際に用いる。「ほんとに―・まなかったね」「あやまって―・む問題ではない」→済まない →済みません
[動マ下二]得心がゆく。納得する。
「―・めぬ事若後家五つ指を折り」〈柳多留・一三〉
[類語](1)終わる・片付く・終了する・完了する・結了する・終結する・決着する・落着する・けりが付く・方かたが付く・出来る・上がる・引ける・跳ねる・完結する・終決する・終止する・終息する・閉幕する・果てし・幕切れ・幕・打ち止め・ちょん・完・了・ジエンド・幕になる・幕を閉じる・ちょんになる・終わりを告げる・終止符を打つ・ピリオドを打つ/(3)収まる・事足りる・間に合う・落ち着く・静まる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「済む」の意味・読み・例文・類語

す・む【済】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
    1. ① 物事が終わる。完了する。できあがる。成る。物事が決着する。かたづく。
      1. [初出の実例]「車どものらうがはしさもすみぬれば」(出典:徒然草(1331頃)一三七)
      2. 「たがひに其やうにいふてはすむ事があるまひ」(出典:虎明本狂言・文荷(室町末‐近世初))
      3. 「飯はすんだ?」(出典:セルロイドの塔(1959)〈三浦朱門〉一)
    2. ② 物事が十分に行なわれる。十分まにあう。足りる。
      1. [初出の実例]「某がでてすむ事ならはでふが」(出典:虎明本狂言・右近左近(室町末‐近世初))
      2. 「君と我れ僅(わづか)の米ですむだらば両くゎん坊と人は言ふらむ」(出典:良寛歌(1835頃))
    3. ③ 借り物、借金などがすっかり返される。返済が完了する。
      1. [初出の実例]「ふな木の御れう所三千疋まいる。これにてなかはし御とりつきの御色なをしの御かりものすむ」(出典:御湯殿上日記‐永祿五年(1562)八月一日)
    4. ④ 気持の上で満足する。気持がはれる。気にいる。納得する。
      1. [初出の実例]「使はもちいるとよむか、しむるとよむか、さなければ心がすまぬぞ」(出典:玉塵抄(1563)二二)
      2. 「喜びて待つに、度々嘘なりければ『君来むと鳴きて夜毎に狐とも狸とも身をなしつつや寝ん』と云けれど、男すまぬかほなりけり」(出典:仮名草子・仁勢物語(1639‐40頃)上)
    5. ⑤ 他人に対して義理がたつ。申しわけがたつ。ふつう、否定、反語を意味することばを伴って、他人に対して、許しをこい、あやまる際に用いる。
      1. [初出の実例]「コレすまねへぞすまねへぞ。あんなごまのはいに、やどをかすからにゃアこなたもうはまへを取だろふ」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)二)
      2. 「『や、済(ス)まない』と云ひながら、何の苦もなく一番上の奴を取って頬張っちまった」(出典:坑夫(1908)〈夏目漱石〉)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 ⇒すめる(済)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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