(読み)フ

デジタル大辞泉 「敷」の意味・読み・例文・類語

ふ【敷】[漢字項目]

常用漢字] [音](呉)(漢) [訓]しく
〈フ〉平らに広げて全体に及ぼす。しき延べる。「敷衍ふえん敷設
〈しき(じき)〉「敷居敷金敷地敷布座敷屋敷河川敷千畳敷風呂敷
[名のり]しき・のぶ・ひら
難読折敷おしき桟敷さじき

しき【敷(き)】

敷くこと。また、そのもの。物の下や底などに敷くもの。現在では、多く他の語と複合して用いられる。「なべ敷き」「花瓶敷き
「そのはこの―に大納言殿の書かせ給へる」〈栄花・本の雫〉
船の底板かわら
敷金」の略。
敷地」の略。「河川敷き
敷布団」の略。
敷居」の略。

じき【敷(き)】

[接尾]部屋の大きさを畳の数によって表すのに用いる。「八畳敷き

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精選版 日本国語大辞典 「敷」の意味・読み・例文・類語

じき【敷】

  1. 〘 接尾語 〙 部屋の広さを畳の数によって表わすのに用いる。「八畳敷」「十二畳敷」など。
    1. [初出の実例]「成程十五畳敷にいつ迄居る訳にも行くまい」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「敷」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 15画

(旧字)
15画

[字音]
[字訓] しく・あまねし・ひろめる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(ふ)。若木の根を包んで、これを扶植する意。金文に「命を(し)く」「(おほ)いに天命を受く」のように用い、・溥の初文として用いられる。敷に布きひろめる意がある。

[訓義]
1. しく、ほどこす。
2. わける、つらねる、のべる。
3. あまねし、ひろがる、ひろめる。
4. おおいに。

[古辞書の訓]
名義抄 シク・ヒラク・ワカツ・ホドコス・サク・アマネシ 〔字鏡集〕 シク・ホドコス・ワカツ・オホキナリ・ウルハシ・サク・ヒラク・チカシ

[語系]
phiuaは溥・舖(舗)・普pha、また布pa、旁bangとそれぞれ声近く、広布の意があり、一系の語である。

[熟語]
敷遺・敷栄・敷英敷衍敷演・敷化・敷求・敷教・敷言・敷弘敷洽敷告敷施・敷・敷写・敷秀敷衽・敷政・敷浅敷宣・敷奏・敷治・敷張敷暢敷陳・敷天・敷展・敷土・敷納・敷披・敷布・敷・敷・敷紛・敷・敷文・敷聞・敷訳敷愉・敷佑敷与敷揚敷綸・敷露・敷和
[下接語]
鬱敷・雲敷・栄敷・華敷・外敷・弘敷・光敷・詞敷・森敷・誕敷・張敷・播敷・披敷・芳敷

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【キール】より

…方形キールと異なり,船底が平滑になるため,喫水が増加せず,また入渠(にゆうきよ)時に船体重量の主要部分を支持するのにもつごうがよい。なお,独特の発達をした大和型船を典型とする和船の場合は,船底の船体中心線位置にあって船底から突き出た航(かわら)または敷(しき)と呼ばれる部材がキールに相当する。【吉田 宏一郎】。…

※「敷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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