新魚町(読み)しんうおまち

日本歴史地名大系 「新魚町」の解説

新魚町
しんうおまち

[現在地名]中津市中津 新魚町

新博多しんはかた町の南の勢溜せいだまるより西へ外堀に沿って長さ約四町、北はもろ町。東半分が職人町、西半分は武家屋敷。東の外れ、出小屋でごやとの間はエミタケ(現江三竹町)とよばれ、幕末には三役所や医学館など藩の施設が置かれた。新魚町は享保四年(一七一九)の軒数七六・竈数九〇、前年殿との町出火で東の端一五軒・二〇竈を類焼。寛政四年(一七九二)閏二月二七日昼八つ半時、当町桶屋惣次郎方裏の横町の塀際、雪隠より燃上がり、五八軒と明家五軒、ほかに三御役所・良学りようがく本堂とも武家屋敷四軒、小役人衆・御大工衆六軒、都合七五軒を焼失した。


新魚町
しんうおまち

[現在地名]徳島市富田町とみだまち一―二丁目・両国橋りようごくばし銀座ぎんざ

富田町北方から東に延びる通り筋に沿った町人地。新町魚ノ棚しんまちうおんたな・新魚ノ棚ともよばれた。新町南東部の現両国橋南詰辺りの新町川右岸には江戸時代から雑魚場という魚を水揚げする浜があって魚荷船が着いた。魚のうち城内勝手向きおよび御家中注文の赤物や上等の青物は新町川左岸の内町魚うちまちうおたな(内魚町)で荷揚げされ、その余りのものが新町魚ノ棚の市場に回された。


新魚町
しんうおまち

[現在地名]津山市新魚町

元魚町もとおまち通の南端から東西に丁字形に連なる町。東は小性こしよう町・さかい町、西は桶屋おけや町、南は吹屋ふきや町、北は新職人しんしよくにん町。正保城絵図では町屋が記されるが、万治町絵図では東西の通りを魚町、その中間から北に延び元魚町(同絵図には町名はみえず)に連続する通りを新魚町と記す。元禄町絵図は東西の通りだけについて魚町と記し、新魚町の記載はない。


新魚町
しんうおちよう

[現在地名]清水市清水町など

清水町八ヵ町の一でふくろ町の南に続く。西は本魚もとうお町、東縁はともえ川の河岸。袋町・本魚町とともに魚座三町を形成。今新いましん町ともいい、慶長一九年(一六一四)美濃輪みのわ城の外郭の「袋ノ城ノ外堀」を埋立て、「爰ヲ新魚町」と名付けたという(清水湊旧記)。元禄二年(一六八九)の湊役金負担軒数三八軒半、うち一軒役二一・半軒役三三、ほか二(「湊役金割付帳」興津公民館蔵)。寛延四年(一七五一)には諸問屋四で、魚取扱を主とし、米屋二(旧八木家文書)


新魚町
しんぎよまち

[現在地名]津市東丸之内ひがしまるのうち

南北に通ずる分部わけべ町に対し東へ直交し、山之世古やまのせこ町の南側に並行する町人町。「累世記事」(上野市立図書館蔵)に「新魚町、高虎君御代出来也」とあるとおり、寛永年間(一六二四―四四)の諸史料に新魚町の名がある。藤堂高虎の城下町形成の当初より他町とともに成立し、前代よりの浜方魚屋うおや町に対して、新の字を冠して名付けられたと思われる。寛文一〇年(一六七〇)津町一三人の名主として新魚町に善太夫が任命され、元禄一一年(一六九八)の津町人分限帳(津市史)には新魚町に草川作右衛門の名がある。津町祭礼行列への参加は「勢陽雑記」に「新魚町、愛宕参りのまね、印金の鏡、人数四十六人」とあり、江戸後期には「草蔭冊子」に「新魚町、八千代獅子、町印石台に牡丹唐獅子の曳物、屋台に胡蝶の舞の人形二個を置き、下にて八千代獅子の曲を奏す」とある。


新魚町
しんうおまち

[現在地名]小倉北区浅野あさの一丁目・京町きようまち三丁目

京町の北にあり、北部は海に臨む。西の船頭せんどう町に続くためか、小倉領寺院聚録に「船頭町 新魚町トモ云」とある。毛利氏家臣の中原師道を祖とする中原屋は慶長年間(一五九六―一六一五)小倉に来て、寛永九年(一六三二)小笠原氏入国頃に商家となり、当町に居住し、諸国書状取次を生業とした。のち小笠原分家(小倉新田藩)や筑後柳川藩の御用を勤め、のちむろ町二丁目に移り、幕末・維新期には小倉藩と一体となって殖産興業に尽した(北九州市史)


新魚町
しんぎよまち

[現在地名]和歌山市新魚町

畳屋たたみや町の北に続く縦町で、「しんごまち」ともいう。西はほん町八丁目、北は紀ノ川の堤。「続風土記」に「古は魚市をこゝになしゝ故に新魚町と名つく」とある。西側の宇治うじ神社を「続風土記」は三部みぶ神社として「本町五町目より北東、西宇治の産土神なり」とし、「古宇治郷徳田木村等あり、其産土神といひ伝へたり」と注記する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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