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朝鮮本 チョウセンボン

デジタル大辞泉の解説

ちょうせん‐ぼん〔テウセン‐〕【朝鮮本】

朝鮮半島で刊行された書物で、漢籍を含む。高麗(こうらい)朝初期の板本に始まり、李朝時代に及ぶ。

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百科事典マイペディアの解説

朝鮮本【ちょうせんぼん】

朝鮮で刊行された書籍。高麗本とも。大型本で,強靭(きょうじん)な紙質,黄褐色の表紙,印刷の良さなどが特色。古くから渡来人とともに多量の書籍が伝えられたが,文禄・慶長の役で日本の武士が多量の朝鮮本を略奪し,日本の出版物,出版文化に影響を与えた。
→関連項目高麗本

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世界大百科事典 第2版の解説

ちょうせんぼん【朝鮮本】

高麗本ともいう。主として朝鮮人または中国人撰書の朝鮮における刊行書を指すが,高麗時代,李朝時代のものを,それぞれ高麗本(版),朝鮮本(版)と呼ぶこともある。朝鮮と日本の往来は古く,応神朝に百済博士王仁(わに)が《論語》《千字文》をもたらしたのが最初とされる。その後も渡来人とともに多量の書籍が伝えられた。8世紀前半の新羅への留学僧審祥の蔵書70部中,50部までが新羅僧の撰述であった。また丹波康頼の《医心方》には《百済新集方》《新羅法師方》の引用がある。

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大辞林 第三版の解説

ちょうせんぼん【朝鮮本】

昔、朝鮮で刊行された書物。特に、朝鮮王朝時代のものをいう。大型美麗な活字本が多く、日本にも多数伝わる。 → 高麗版こうらいばん

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

朝鮮本
ちょうせんぼん

広くは朝鮮の、狭くは李朝(りちょう)時代(1392~1910)の刊行書をさすが、本稿では後者について述べる。高麗(こうらい)時代のものについては「高麗版」の項参照。この時代は印刷文化が栄え、李朝は校書館等を設けて印刷したが、官版の大部分は活字本で、大型かつ美麗、中国本を翻刻する場合は善本によっており、校正も厳密である。活字は鋳造年の干支(えと)でよばれ、30種以上あるが、癸未(きび)字(1403)がもっとも古い。そのなかでは甲寅(こういん)字(1434)が大きさも適当で字形もよく、幾度も改鋳されている。銅活字が主で、木活字や鉄活字もある。活字本は数十部から200~300部どまりで、これをもとにして木版本を多量につくることが多い。坊刻本(民間出版物)は16世紀後半より確認されるが、日本のようにさほど商品化していない。書院や門中よりの木版本を主とした印出も盛んで、木活字、陶活字、匏(ほう)(瓢箪(ひょうたん))活字、銅活字本によるものもある。朝鮮本には刊記が少なくて刊年がはっきりせず、また地方印刷文化の状態もまだ明らかでない。豊臣秀吉(とよとみひでよし)の侵略時(1592~93、1597~98)に多くの書籍がわが国にもたらされて現存するが、この影響でわが国の古活字印刷が一時盛行した。東京の宮内庁書陵部、国立公文書館、名古屋の蓬左(ほうさ)文庫、対馬(つしま)の宗(そう)家文庫、東大、京大などに、多くの朝鮮本が残されている。[藤本幸夫]
『韓国図書館学研究会編『韓国古印刷史』(1980・同朋舎出版) ▽前間恭作著『朝鮮の板本』(1937・京城・松浦書店)』

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図書館情報学用語辞典の解説

朝鮮本

朝鮮,特に李朝時代の朝鮮で書写または出版された本.朝鮮人の著述に限らず,多くの漢籍が含まれる.李朝時代(1392年建国)以前の高麗時代の本は特に高麗本と呼ばれるが,今に伝わるものは少ない.そのため,朝鮮本は実質的には李朝時代の本である.活字版はすでに高麗時代末期に始まったといわれるが,確実な遺品に乏しい.李朝時代に入ると,政府に活字の鋳字所が設けられ,銅活字による印刷が行われ始めるが,これはヨーロッパにおける活字印刷術よりも早い.朝鮮本は一般に大型で五つ目とじ,用紙も厚手の楮紙が多い.秀吉の朝鮮出兵による朝鮮銅活字の日本への伝来は,日本の勅版,古活字本の成立に大きな影響を与えた.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典について 情報

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