本宅(読み)ホンタク

デジタル大辞泉 「本宅」の意味・読み・例文・類語

ほん‐たく【本宅】

別宅などに対して、日常住んでいる自分の家。本邸

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精選版 日本国語大辞典 「本宅」の意味・読み・例文・類語

ほん‐たく【本宅】

  1. 〘 名詞 〙 別宅、妾宅などに対して日常住んでいる自分の家。本邸。自宅
    1. [初出の実例]「朝政出本宅。令籠于野木宮」(出典吾妻鏡‐養和元年(1181)閏二月二三日)
    2. [その他の文献]〔宋書‐徐湛之伝〕

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改訂新版 世界大百科事典 「本宅」の意味・わかりやすい解説

本宅 (ほんたく)

別宅に対して家主本拠となる邸宅のこと。日本史上では中世在地領主の所領の中核をなす屋敷および付属地を指す。律令制下において私有をみとめられた私宅と家地・園地を,その直接の起源とする。平安時代に〈富豪の輩〉といわれた地方有力者(富豪層)は,数町にも及ぶ宅地に私宅をかまえ,その内外に従類(じゆうるい),伴類(ばんるい)を集め,周辺各地に田家など諸種の小宅を分散配置して,私営田や山野河海の諸産業を営んだが,その中から強固な領主支配を形成したのが,中世在地領主の典型である〈開発領主〉であった。領主的な開発を行うのに必要な基本財産は,ふつう1町余の屋敷畠(やしきはく),在家(ざいけ),苧桑,所従,牛馬などで,これらを基礎として現地の〈居屋敷(いやしき)〉(本宅)や〈一門輩居薗〉を設けて堀垣をかため,国衙に申請して適地の荒野を占定し,私財を投じて百姓を語らい浪人を招き寄せて開発にあたった。こうして形成された在地領主の本領は,在京の私領主の所領とは異なり,その在地性にもとづく強固な支配構造をそなえていたが,その根源は本宅に集中された〈いえ〉の人的集団と家産,本宅敷地としての土地支配形態にあった。中世武士団もこの本宅を核として形成され存続した。中世武士の屋敷地は通常1~2町の規模を有し,堀や土塁で区画されて土居堀ノ内などと称せられ,屋敷畠や門田(もんでん)等の直属耕地や下人在家を包摂していた。このような在地領主の本宅は,名田(みようでん),所職(しよしき)など全所領の根幹をなしていたので,武家による本領安堵を本宅安堵ということがあり,治承・寿永の内乱のとき,河内国の領主が本領開発田の濫妨に対して〈安堵本宅〉をもとめて源義経の安堵外題を与えられ(《水走文書》),上総国御家人が源頼朝から〈本宅に安堵すべきの旨〉の恩裁をうけた事例(《吾妻鏡》)がある。
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普及版 字通 「本宅」の読み・字形・画数・意味

【本宅】ほんたく

常住の家。晋・陶潜〔自祭文〕陶子(淵明自らいう)、將(まさ)に(げきりよ)(旅路)のを辭し、永く本宅に歸らんとす。故人、悽(せい)として其れ相ひ悲しみ、同(とも)に今夕に行(お別れ)す。

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