愛媛県東部にあった旧市名(東予市)。現在は西条市(さいじょうし)の北西部を占める一地区。1971年(昭和46)壬生川(にゅうがわ)、三芳(みよし)の2町が合併して東予町となり、1972年市制施行。2004年(平成16)小松(こまつ)町、丹原(たんばら)町とともに西条市に合併。旧市域は、大明神(だいみょうじん)川や中山(なかやま)川の下流域にあり、瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)に面する。穀倉地帯である周桑(しゅうそう)平野の大部分を占め、JR予讃(よさん)線、国道196号が通じ、今治(いまばり)小松自動車道の東予丹原インターチェンジがある。また、大阪南港との間にフェリーも就航する。東予とは伊予の東部をさす。近世には松山、今治、小松の各藩が分割領有し、中心の壬生川は松山藩の米の積出し港として商業活動が盛んであった。平野では米作のほか野菜や花卉(かき)栽培も行われ、畜産などとの複合経営が多い。沿岸は近世以降の干拓新田が多く、1964年の東予新産業都市の指定で富士紡績のほか住友重機などが進出した。国安(くにやす)は手漉(てす)き和紙の産地として知られる。三芳地区は市北部の中心で商業が盛ん。河原津海岸はカブトガニの繁殖地で、その保護運動が展開されている。
[横山昭市]
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