東京証券取引所(読み)とうきょうしょうけんとりひきじょ

精選版 日本国語大辞典 「東京証券取引所」の意味・読み・例文・類語

とうきょう‐しょうけんとりひきじょ トウキャウ‥【東京証券取引所】

昭和二四年(一九四九証券取引法に基づいて東京に会員組織設立された証券取引所。明治一一年(一八七八)設立の東京株式取引所を前身とする。東京都中央区兜町にあるところから、通称「兜町(かぶとちょう)」と呼ばれる。東証

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デジタル大辞泉 「東京証券取引所」の意味・読み・例文・類語

とうきょう‐しょうけんとりひきじょ〔トウキヤウ‐〕【東京証券取引所】

東京都中央区日本橋兜町かぶとちょうにある金融商品取引所。通称「兜町」。東証。TSE(Tokyo Stock Exchange)。
[補説]明治11年(1878)東京株式取引所として創設。太平洋戦争中の日本証券取引所を経て、戦後証券会員制法人の東京証券取引所として再開し、債権市場・外国株市場・国債先物市場・TOPIX先物市場などを開設。平成13年(2001)株式会社に移行。平成19年(2007)東京証券取引所グループを設立し、平成25年(2013)大阪証券取引所(現大阪取引所)と経営統合現物市場は東京証券取引所、デリバティブ市場は大阪取引所に集約された。

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改訂新版 世界大百科事典 「東京証券取引所」の意味・わかりやすい解説

東京証券取引所 (とうきょうしょうけんとりひきじょ)

東京都中央区日本橋兜町(かぶとちよう)にある日本の代表的証券取引所。略称,東証。前身は,1878年に設立され,東株の名で知られていた東京株式取引所である。東株はその後いったん解散したが,第2次大戦後間もなく制定された証券取引法に基づき1949年4月に東京証券取引所として再発足した。発足後,東証は60年代から70年代にかけての経済の高度成長背景とした証券ブーム,1965年の戦後最大といわれた証券不況などを経ながら,改善を重ねて今日に至っている。この間,信用取引制度の改善,証券会社の免許制への移行,投資信託の自主的運用体制の確立などが図られた。対外的には国際化に対応して国際取引所連合に加盟するとともに,73年に外国債券と外国株式の売買取引を開始した(外国部の発足)。現在の組織形態は会員制の非営利特別法人となっている。東株は営利を目的とする株式会社組織であったが,取引所自体の株式を上場し,投機を助長するなどの弊害も少なくなかったため,抜本的に改められたものである。会員は大蔵大臣の免許を有する証券会社に限られ,取引所市場で売買取引のできる正会員と正会員間の売買取引の媒介を専業とする才取(さいとり)会員(略して才取ともいう)がある(取引所会員)。定款により定数は1982年で正会員83社以内,才取会員12社以内となっている。

 東証の規模は全国8証券取引所(東京,大阪,名古屋,京都,広島,福岡,新潟,札幌)のなかで群を抜き,日本の証券取引所の中枢的存在である。世界でもニューヨーク株式取引所に次ぐ規模である。売買高のシェアは中心の株式の場合,全国の80%以上を占めている。また東証の発表する東証株価指数をはじめとした諸指標は,日本の代表的株式指標として広く通用している。業務は証券取引法のほか,取引所の定める定款,有価証券上場規程,業務規程,受託契約準則などにより運営されている。具体的には売買立会時間,売買取引の種類,売買の呼値,売買数の単位,売買契約締結の方法などが定められ,ルールに従い取引が行われている。東証の上場会社数は市場第一部1292,第二部489,外国部64(1997年6月現在)である。なお2008年7月末現在は,第一部1743(うち外国会社21),第二部465(同0),新興企業向けのマザーズ197(同3)。
株式市場 →証券取引所
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東京証券取引所」の意味・わかりやすい解説

東京証券取引所
とうきょうしょうけんとりひきじょ

金融商品取引法で定める金融商品取引所(→証券取引所)。全国 5ヵ所に設置されている金融商品取引所の中核的存在。1878年に東京株式取引所として開業し,1943年に日本証券取引所に改組された。1947年に連合国総司令部 GHQにより閉鎖。1949年に証券取引法に基づき,会員組織の東京証券取引所が設立された。1961年に市場第2部を併設。東証株価指数 TOPIX,単純平均株価などを作成,公表している。2000年3月に広島証券取引所および新潟証券取引所を合併。2000年の証券取引法改正をうけて,2001年11月に株式会社形態へと移行した。2007年持株会社の東京証券取引所グループを設立。2013年東京証券取引所グループと大阪証券取引所が経営統合し,持株会社日本取引所グループが創設され傘下に入った。

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世界大百科事典(旧版)内の東京証券取引所の言及

【兜町】より

…1947年以降は中央区日本橋兜町。東京証券取引所を中心に,大小100余の証券会社が集まり,日本の代表的証券街となっている。そのため兜町の名は,日本の証券市場ないし証券界の代名詞として,また東京証券取引所(東証)の同義語として用いられることが多い。…

※「東京証券取引所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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