(読み)くるる

精選版 日本国語大辞典の解説

くるる【枢】

〘名〙
① 扉の端の上下にある突出部。また、これを穴に入れて扉が回転するようになっているところ。とぼそ。とまら。
※広本拾玉集(1346)二「納め殿のくるるの妻戸おしあけてけふ七夕にかす物やなに」
② 戸締まりをするために、戸の桟(さん)から敷居に差しこんで栓をする木片。また、そのしかけ。おとし。くるりぎ。くるるぎ。猿(さる)
※浮世草子・新可笑記(1688)三「戸にかけ金なく、蔀(しとみ)にくるるもせず」
③ 「くるるど(枢戸)」の略。
※浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節(1707頃)中「冷汗(ひやあせ)流し漸(やうやう)(はひ)出くるるのふしあな、しとみのすきまのぞけのぞけど」

くるり【枢】

〘名〙 「くるる(枢)」の変化した語。〔運歩色葉(1548)〕

くろろ【枢】

〘名〙 (「くるる」の変化したもの)
※両足院本山谷抄(1500頃)一「戸にはくろろが干要ぞ」
② =くるる(枢)②〔文明本節用集(室町中)〕
※浮世草子・好色一代男(1682)二「めしあはせの戸に、くろろをおとし、用心時の自身番にも、人頼みするこそあれ」

すう【枢】

〘名〙
① ひらき戸を開閉する軸となるところ。とぼそ。くるる。〔五国対照兵語字書(1881)〈西周〉〕
② かんじんなところ。かなめ。
※暦象新書(1798‐1802)下「右転の腰、右転の枢、これ四維二極の方位の定る所以なり」 〔史記‐范雎伝〕

と‐まら【枢】

〘名〙 (「と」は戸、「まら」は男根の意) 開き戸の框(かまち)の上下両端の突き出た部分。枢(とぼそ)にさし入れて、戸を支えて開閉の用をするもの。〔十巻本和名抄(934頃)〕

くる【枢】

〘名〙
※万葉(8C後)二〇・四三九〇「むらたまの久留(クル)に釘刺し固めとし妹が心は揺(あよ)くなめかも」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉の解説

くるる【枢】

開き戸を開閉するため、扉の回転軸の上下に設けた心棒の突起。また、その突起を上下の枠のくぼみに入れて戸が回転するようにした仕掛け。
締まりのため、戸のから敷居に差し込む止め木。また、その仕掛け。おとし。

すう【枢〔樞〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]スウ(慣) [訓]とぼそ くるる
物事のかなめとなるところ。「枢機枢軸枢要枢密院中枢
[補説]原義は、扉の回転軸、とぼそ。
[名のり]たる

と‐ぼそ【枢】

《「戸(と)臍(ほぞ)」の
開き口を回転させるため、戸口の上下の框(かまち)に設けた穴。
戸。扉。
「庵の―を打叩けば」〈竜渓経国美談

くろろ【枢】

くるる」の音変化。
「赤小豆餅(あづきもち)搗(つ)けど搗かねど外よりも―は後へ明きにしものを」〈仮・仁勢物語・上〉

くる【枢】

くるる(枢)」に同じ。
「群玉(むらたま)の―にくぎ鎖し固めとし妹が心は動(あよ)くなめかも」〈・四三九〇〉

と‐まら【枢】

《「と」は戸、「まら」は男根の意》開き戸上下にある突き出た部分。とぼそにはめて戸を支え、開閉とする。

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