根尾川(読み)ねおがわ

日本歴史地名大系 「根尾川」の解説

根尾川
ねおがわ

根尾村北部境の越美山脈に発する川。揖斐いび藤橋ふじはし村との境にある能郷白のうごはく(一六一七・三メートル)と、福井県大野市との境にあるえつ(一一二九・三メートル)との山峡に発し、北西部の山峡の水を集める根尾西谷ねおにしたに川と武儀むぎ板取いたどり村との境にある左門さもん(一二二三・六メートル)をはじめ北東部山峡の水を集める根尾東谷川が、根尾村樽見たるみ合流し根尾川となる。ここから峡谷を切開いて南下し、本巣町山口やまぐち平地へ流れ出る。

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改訂新版 世界大百科事典 「根尾川」の意味・わかりやすい解説

根尾川 (ねおがわ)

岐阜県南西部を流れる揖斐(いび)川の支流揖斐川との合流点までの全長は56kmである。両白山地の能郷(のうご)白山(1617m)に発する根尾西谷川と左門岳(1224m)に発する根尾東谷川が本巣市の旧根尾村樽見で合流し,旧根尾村平野から山地を穿入(せんにゆう)蛇行しながら南流する。本巣市の旧本巣町山口濃尾平野に出て扇状地を形成,扇端部で揖斐川に合流する。上流域は根尾谷と呼ばれ,ほぼ本巣市の旧根尾村の範囲に一致する。根尾川上流の本・支流の流路は,北西~南東の走向をもつ根尾谷断層に支配されているところが多く,根尾西谷川沿いの旧根尾村能郷から平野にかけての谷は,この断層谷にあたる。河岸には段丘が発達し,段丘上に集落が点在する。下流の扇状地では近世に扇頂部の山口から取水する真桑(まくわ),席田(むしろだ)などの用水が建設され,水田開発がすすめられたが,近年は富有柿の栽培が盛んである。根尾川筋は揖斐川筋とともに,古くから美濃越前を結ぶ交通路にあたり,温見(ぬくみ)峠を越えて福井県大野市に通じる国道157号線が川沿いを通っている。また,下流沿いの大垣~樽見間には1984年に第三セクターに移管された樽見鉄道がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「根尾川」の意味・わかりやすい解説

根尾川
ねおがわ

岐阜県西部を流れる揖斐川の支流。全長約 57km。能郷白山のふもとに源を発し,両白山地を根尾谷断層線に沿って流れ,本巣付近で濃尾平野に出て扇状地を形成する。かつては谷の出口の山口で藪川と糸貫川分流していた。糸貫川はその後に廃川となったが,水路は残され,河川敷は住宅・工場用地に利用。藪川の名は根尾川に戻されている。神戸町で揖斐川に合流。扇状地上の灌漑用水源である。

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