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死体現象 したいげんしょう

大辞林 第三版の解説

したいげんしょう【死体現象】

死後に現れる種々の現象の総称。皮膚の蒼白化、体表の乾燥、死斑、死後硬直、自家融解、腐敗など。 → 生活反応

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百科事典マイペディアの解説

死体現象【したいげんしょう】

死体に起こる物理・化学的現象総称。初期に起こる死体温の低下,死体表面の乾燥,死斑の形成,死体硬直発現乳酸の増加,後期に起こる腐敗の進行とこれに伴うガスの発生,諸組織の変性崩壊,白骨化などの一連の現象をさす。

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世界大百科事典 第2版の解説

したいげんしょう【死体現象 postmortem change】

死後変化,すなわち死後に現れる生物学的機能の喪失や,死体の物理的,化学的な変化をいう。これは早期,晩期,異常死体現象に分けられる。
[早期死体現象]
 死後1日以内に現れるもので,瞳孔対光反射の消失および散瞳,眼圧の低下,上位の皮膚の蒼白化と下位になった部位への死斑の出現,筋肉の弛緩後に現れる死体硬直rigor mortis,皮膚や口唇粘膜などの乾燥,角膜の混濁,死体の冷却がある。死亡時に散大した瞳孔は,死後1~2時間で直径5mmくらいになる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

死体現象
したいげんしょう

死体現象とは、死体に現れる現象のすべてを意味し、一般的には、早期死体現象、晩期死体現象、および特殊な死体現象に分けられる。しかし、早期と晩期の境界は、死後経過時間によって明確に区別されているわけではないし、また、この分類も国によって多少異なっている。わが国で早期死体現象というと、体温の降下、死体硬直、血液就下(しゅうか)(死斑(しはん))、死体の乾燥などがあり、晩期死体現象には、自家融解(自己のもっている酵素による細胞の分解)、腐敗、動物による損壊、風化、白骨化などが含まれる。前者は、死後早く現れる現象であり、後者は、死後遅く現れる現象として区別できるが、後者はむしろ、死体の崩壊を示す現象のすべてと考えるべきである。したがって、これには自家融解のようにかなり早くから始まる現象も含まれているわけである。こうした死体現象は、いずれも死後経過時間を推定するための根拠として法医学的にはきわめて重要であるが、一般的には、死体の内的・外的条件に左右され、一定の変化を示すとは限らない。とくに、死後遅く現れる現象ほどその傾向が強く、精確な死後経過時間の推定はむずかしくなる。また、腐敗による死体の変化には刮目(かつもく)するものがあり、腐敗臭を放ち、腐敗ガスで膨れ上がり(巨人様観という)、いわゆる赤鬼や青鬼のようになって生前のおもかげなどはまったく消失する。さらに動物による損壊、とくにウジの蚕食が加わると死体は急速に崩壊し、早ければ成人屍(し)が10日間くらいで白骨化する。
 なお、特殊な死体現象とは、一般の分解がおこらないために死体がその原形を保つ場合で、代表例はミイラと屍蝋(しろう)化死体である。これを永久死体という。[古川理孝]

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世界大百科事典内の死体現象の言及

【死斑】より

…血液循環の停止により,血液が重力の作用で死体の下位になった部分に移動(この移動を血液就下という)して,非圧迫部の皮膚が血液の色によって斑状に着色することで,死体現象の一つである。死斑は死後30分くらいから発現し,2~3時間で著しくなり,半日で完成する。…

【死蠟】より

…死体が水中や湿潤な土中に置かれ,空気が遮断された状態において生じる異常死体現象。死蠟のうち軟らかいものは腐ったチーズ様であり,硬いものはもろいセッコウ(石膏)様で,いずれもかび臭い。…

【法医学】より

…ところが,この死亡時期の判定は,法医鑑定上,最もむずかしい事項でもある。死亡と同時に,人体では諸種の死後変化(死体現象)がスタートする。この変化は,一般に時間経過とともに度合を強める。…

【ミイラ(木乃伊)】より

… 永久死体の一つである死蠟(しろう)が,湿潤した場所で空気が遮断された環境でできるのに対し,ミイラは乾燥によってできる。すなわち,死亡した後,死体現象のうちの自家融解や腐敗による崩壊が進行する前に,急速な乾燥が起こるとミイラができる。死体の水分が50%以下になると細菌の増殖が著しく阻止され,腐敗の進行が停止するといわれ,高温で乾燥した場所や風通しのよい場所,吸湿性のよい砂や土の上に置かれた死体ではミイラになりやすい。…

※「死体現象」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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