水原(新潟県)(読み)すいばら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「水原(新潟県)」の意味・わかりやすい解説

水原(新潟県)
すいばら

新潟県中北部、北蒲原郡(きたかんばらぐん)にあった旧町名(水原町(まち))。現在は阿賀野(あがの)市の中央西寄りを占める一地区。1889年(明治22)町制施行。1955年(昭和30)堀越(ほりこし)、分田(ぶんだ)の2村と合併。2004年(平成16)安田(やすだ)町、京ヶ瀬(きょうがせ)村、笹神(ささかみ)村と合併して市制施行、阿賀野市となる。旧水原町は、阿賀野川右岸にあり、ハクチョウの町として知られる。JR羽越本線(うえつほんせん)、国道49号、460号が、また五頭(ごず)連峰山麓(さんろく)にある飛地(とびち)には国道290号が通じる。近世初期は新発田(しばた)藩領に属したが、のち天領となり、1746年(延享3)水原代官所が置かれて、下越(かえつ)の天領7万3000石を支配する代官町となる。古くからの六斎(ろくさい)市場町で、四、八の定期市には近在の買物客でにぎわった。1869年(明治2)越後(えちご)府が置かれ、同年水原県と改められ県庁所在地となった。越後府跡は天朝山(天長山)(てんちょうやま)公園となって県の史跡に指定されている。付近五頭連峰県立自然公園玄関口にあたり、国の天然記念物に指定されているハクチョウの飛来地瓢湖(ひょうこ)を中心に、国指定重要文化財3点を所蔵する無為信寺(むいしんじ)、水原代官所(復元)、ふるさと農業歴史資料館など観光資源に恵まれている。

[山崎久雄]

『小林存著『水原郷土史』(1957・水原町)』


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