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水酸化ナトリウム すいさんかナトリウムsodium hydroxide

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

水酸化ナトリウム
すいさんかナトリウム
sodium hydroxide

化学式 NaOH 。カセイソーダともいう。工業的には食塩水の電解かソーダ灰のかせい化によって,多量に生産される。無色固体で,吸湿性が非常に大きく,水,アルコール,エーテルグリセリン可溶である。純製品の融点 328℃。腐食性が強い。皮膚に直接触れないように注意する。特に,溶液を扱うときは,飛沫が目に入らないように保護メガネを着用する必要がある。用途はレーヨン,スフ (ステープル・ファイバー) ,セロファン合成繊維などの製造,染料,香料,医薬などの製造,油脂の精製,石鹸の製造,紙やパルプの製造,石油,タール油の精製,各種ナトリウム塩の製造,水の軟化,アルカリ蓄電池用電解液,試薬など広く使用されている。

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デジタル大辞泉の解説

すいさんか‐ナトリウム〔スイサンクワ‐〕【水酸化ナトリウム】

食塩水を電解して作る、潮解性のある白色の固体。水に溶けやすく、水溶液は強アルカリ性二酸化炭素をよく吸収し、炭酸ナトリウムになる。腐食性が強く、皮膚をおかす。石鹸(せっけん)合成繊維の製造、石油の精製、製紙・パルプ工業など用途が広い。苛性(かせい)ソーダ。化学式NaOH

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百科事典マイペディアの解説

水酸化ナトリウム【すいさんかナトリウム】

化学式はNaOH。比重2.13,融点328℃,沸点1390℃。無色潮解性の結晶。苛性ソーダとも。きわめて安定で強熱しても分解しない。水には多量の熱を発してよく溶け,水溶液は強アルカリ性。
→関連項目ソーダ工業建染染料電解ソーダ電気化学工業

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世界大百科事典 第2版の解説

すいさんかナトリウム【水酸化ナトリウム sodium hydroxide】

化学式NaOH。強い腐食性をもつため,俗に苛性(かせい)ソーダcaustic sodaとよばれている。
[性質]
 潮解性の強い無色の固体。室温では斜方晶系のα型(低温型)。299.6℃で立方晶系のβ型(高温型)に転移する。試薬としては通常,ペレットの形で市販されている。完全に無水のものの融点は328℃であるが,実際はきわめて除去しにくい水と炭酸塩の少量を含むため,318.4℃と約10℃低い融点を示すのがふつうである。

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大辞林 第三版の解説

すいさんかナトリウム【水酸化ナトリウム】

白色の固体。普通、食塩水を電解して大量に得る。化学式 NaOH 潮解性が強く、水によく溶けて強いアルカリ性を示す。腐食性があり、皮膚をおかす。合成繊維や石鹼せつけんの製造、石油精製などに広く使用。苛性ソーダ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

水酸化ナトリウム
すいさんかなとりうむ
sodium hydroxide

ナトリウムの水酸化物。カ性ソーダcaustic sodaの別名がある。カ性とは「皮膚を侵す」の意。1884年グラスゴーの工場でソーダ母液を石灰乳でカ性化したのがカ性ソーダ工業の始めであるといわれている。現在ではすべて食塩水の電解によって製造されている。製品として市販されているものには、融解後ドラム缶に流し込んで固化したものと、片状・棒状あるいは半球形錠剤に成形したものなどがある。品質はJIS(ジス)(日本工業規格)および食品衛生法によって規定されている。[鳥居泰男]

製法

工業的な製造法にはカ性化法と電解法がある。
〔1〕カ性化法 アンモニアソーダ法によって生じた粗重曹の水溶液に炭酸ガス(気体二酸化炭素)を吸収させて炭酸ソーダ原液とし、これに石灰乳を加えて
  Na2CO3+Ca(OH)2―→2NaOH+CaCO3
生じた沈殿を濾別(ろべつ)し、蒸発濃縮する。この方法は、近年の塩素工業の急速な発展に伴い、電解法にとってかわられ、1968年(昭和43)以降日本では行われていない。
〔2〕電解法 塩化ナトリウム水溶液を電気分解する方法で、水銀法、隔膜法、イオン交換膜法の三つの方法が行われている。
(1)水銀法 陽極に金属電極(黒鉛など)、陰極に水銀を用いる方法で、負極で放電したナトリウムが水銀に溶けてアマルガムとなる。このナトリウムアマルガムを解汞(かいこう)槽に導いて水と反応させ、水酸化ナトリウムを得ている。製品の品位の点で優れているが電力費が高く、高価で有害な水銀を多量に使用する点が問題である。日本では他の方法への転換が急速に進んでいる。
(2)隔膜法 陽極に金属電極、陰極に鉄を用い、両極間にアスベスト製の隔膜を入れて電解する。陽極で塩素、陰極で水素とともに水酸化ナトリウムが生成する。隔膜によって両極の生成物の混合が防止されている。この方法は電力効率が高い点で優れているが、塩化ナトリウムや塩素酸ナトリウムの混入率が高く、純度の点で他の方法に劣る。
(3)イオン交換膜法 陽イオン交換膜を用いて陰陽両極室を分離して電解を行う方法。両電極における反応は隔膜法とまったく同じであるが、塩化ナトリウムの混入率が低いなど純度の点では優れており、今後の進展が期待される。[鳥居泰男]

性質

潮解性で、空気中に放置すると湿気を吸って溶けるとともに、炭酸ガスを吸収して炭酸ナトリウムとなる。水に溶けやすく、その際大量の熱を発生する。水溶液は強アルカリ性を呈する。エタノール(エチルアルコール)、グリセリンにもよく溶けるが、エーテル、アセトンには溶けない。強熱しても酸化物と水に分解しないが、簡単に融解し、金、白金、ケイ酸などを侵すので、岩石など反応しにくい固体物質を融解するのに用いられる。一酸化炭素と反応してギ酸ナトリウムとなり、油脂をけん化してせっけんとグリセリンを生ずる。またタンパク質、セルロースなどの有機物を分解する。[鳥居泰男]

用途

化学工業全領域にわたって広い用途をもっている。レーヨン、ステープルファイバー、セロファン、紙、パルプなどの製造、せっけん、染料、香料、農薬、医薬などの製造、金属アルミニウムや各種ナトリウム塩の製造、石油、油脂の精製などがおもなものである。そのほか分析試薬、乾燥剤、二酸化炭素吸収剤に用いられる。[鳥居泰男]

注意

劇薬(許容濃度1立方メートル当り2ミリグラム)であるから、水溶液が皮膚に触れたり、目に入ったりした場合には、水でよく洗ったのち、ホウ酸水などで洗う必要がある。誤飲した場合には、レモン水を大量に飲むほか、牛乳、卵白を飲むのも有効である。[鳥居泰男]

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