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初期大乗仏教の経典の一つ『維摩経』の中心的人物。詳しくは維摩詰(きつ)(ビマラキールティ)、また浄名(じょうみょう)、無垢称(むくしょう)などと漢訳される。維摩はバイシャーリーの富裕な在家(ざいけ)の仏教信者(居士(こじ))で、すでに菩薩(ぼさつ)としての実践を完成していた。釈迦(しゃか)が近くに滞在し説法をしていたが、彼は病にかかり参席できなかった。釈迦は弟子たちに見舞いに行くようにいったが、みんな維摩に議論を吹きかけられて負かされた経験があるため辞退した。結局智慧(ちえ)の優れた文殊(もんじゅ)菩薩が見舞いの代表となり、維摩の居室(方丈)を訪ね、病気の問題などを発端として仏教の真理について議論が闘わされる。そのとき、文殊は垢(よごれ)と浄(きよ)らかさは究極的に不二(ふに)、無言無説であるとことばで表現したのに、維摩は沈黙でもってそれを示したとされる(維摩の一黙)。維摩は在家者でありながら、空(くう)思想を実践する理想的な菩薩として、中国・日本の禅宗においてとくに重要視されている。
[江島惠教]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…日本の芸能では,免許証や許状を出す意となる。《維摩経》弟子品に,維摩が舎利弗(しやりほつ)の座禅を叱り,正しい座禅の心得を説いて,このようにすれば仏は印可される,といっているのが根拠であり,中国の禅宗では,そうした印可の印として,衣鉢や禅板,机案,払子(ほつす)などを与えることとなり,さらにその事由を記す印可状や,師の肖像(頂相(ちんそう))に賛をつけて与える風習が生まれて,日本に多くの遺品を伝える。《日葡辞書》にも,インカヲダス,トルなどの例がある。…
※「維摩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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