現海士町の全体を領域とする国衙領。古代と同様、
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島根県の隠岐(おき)諸島島前(どうぜん)、隠岐郡の町。中ノ島1島からなる。1969年(昭和44)町制施行。古代海部(あま)郡。地名は海洋漁猟民の海士に由来する。北西部の内海に面した平坦(へいたん)地に菱浦港(ひしうらこう)があり、鳥取県境港(さかいみなと)、松江市の七類(しちるい)港との間に定期航路がある。小野篁(おののたかむら)、後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)の配流の地で、明治初年徹底した廃仏毀釈(きしゃく)が行われた。後鳥羽上皇に関する資料は海士町後鳥羽院資料館で展示されている。半農半漁の町。菱浦港から観光用半潜水型展望船が就航する。菱浦港付近のクロキヅタ産地は国の天然記念物。面積33.44平方キロメートル、人口2267(2020)。
[江村幹雄]
『『海士町史』(1974・海士町)』
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…古文献に海人,海部,蜑,白水郎などと記す。海を主なる生業の舞台とし,河川,湖沼で素潜(すもぐ)りする漁民をはじめ,釣漁,網漁,塩焼き,水上輸送・航海にたずさわる人々を,今日いう男あま(海士),女あま(海女)の区別なく〈あま〉と総称する。
[系統と分布]
日本民族の形成過程のなかで,かなり明瞭にあとづけられるのは南方系であり,インド・チャイニーズ系とインドネシア系に大別されよう。…
…海中に潜って操業する漁業の意で,日本にはアマあるいはカヅキとよばれる伝統的な漁民がいる。アマには,男である海士と女である海女がいるが,かつては男女とも腰巻やふんどしなど,わずかな布を身につけただけの裸同様の姿で海に潜り,テングサ,ワカメ,コンブなどの海藻や,アワビ,サザエ,ウニなどの貝類などを,イソガネやカマなどの爬具を用いて採った。男アマである海士は,このほか,〈もり〉や〈やす〉などを使った魚の潜り突きを行うことも多かった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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