精選版 日本国語大辞典「激」の解説
げき‐・する【激】
[1] 〘自サ変〙 げき・す 〘自サ変〙
① はげしくなる。あらだつ。激烈になる。
※太平記(14C後)八「甲冑に映ぜる朝日は、電光の激(ゲキ)するに異ならず」
② はげしくぶつかる。衝突する。
※和漢朗詠(1018頃)上「誰か謂っし花ものいはずと 軽漾(けいやう)激して影脣を動かす〈菅原文時〉」
※太平記(14C後)二二「左右に激(ゲキ)し、八方を払ひ、破(わ)っては返し、帰しては進み」
③ 感情が高まる。興奮する。いきりたつ。激怒する。
※中華若木詩抄(1520頃)上「激して云た心也」
※土(1910)〈長塚節〉一〇「被害者の家族は律義者で、皆激(ゲキ)し切って居る」
[2] 〘他サ変〙 げき・す 〘他サ変〙
① はげしくする。あらだてる。
※日本道徳論(1887)〈西村茂樹〉五「一家内の争論に他人より挿口するは却て彼の怒を激するの恐れもあることなれば」
② はげます。奮激させる。
※漢書列伝竺桃抄(1458‐60)張馮汲鄭第二〇「なれども文帝を激させまいせうとてかふ云たぞ」
げき‐・す【激】
〘自他サ変〙 ⇒げきする(激)
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