出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
(加藤敦子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
歌舞伎(かぶき)俳優。大坂で生まれ、江戸で活躍。1714年(正徳4)に大奥の上﨟(じょうろう)絵島(えじま)との密会が露顕し、新五郎が三宅(みやけ)島に流罪となり、江戸四座の一つ山村座が断絶となったいわゆる「絵島・生島事件」で有名。俳優としては初世中村七三郎流の和事(わごと)を得意とし、2世市川団十郎に影響を与えた。
[古井戸秀夫]
…歌舞伎狂言の一系統。江戸城の奥女中江(絵)島と歌舞伎役者生島新五郎の情話に取材したもの。この江島事件は1714年(正徳4),大年寄(おおどしより)江島が山村座の役者新五郎となじみを重ねたことが発覚,江島は信州高遠に,生島は三宅島に流罪,関係者1000余名が処分され,山村座は廃絶になったというもの。…
…将軍徳川家継の生母月光院に仕えていた江島(絵島とも書く),宮路らが正月12日寛永寺,増上寺へ代参の帰途,木挽町の山村長太夫座に立ち寄り,桟敷および座元の居宅で遊興して帰城したことが発覚し,評定所で審理の結果,江島は永遠島と決まったが,月光院の願いで信濃伊那高遠城主(3万3000石)内藤清枚(きよかず)に預けられ高遠へ配流された。この事件に連座して江島の兄弟や関係者は死罪や遠島,重追放などになり,遊興の相手の山村長太夫,生島新五郎らも遠島となった。厳罰に処されたのが江島とその関係者のみで,同行した女房らは親類預や御奉公御構だけですんでいるのが,やや不審な点である。…
…酢やみそに加えてなますやあえ物に使ったことがはっきりするのは室町時代のことになるが,食生活の洋風化が急激に進んだ第2次大戦後まで,日本人にとってはきわめて重要な香辛料であった。江戸時代にはカツオの刺身はからしで食べるものとされた時期があったようで,1714年(正徳4)の江島事件で三宅島へ流された俳優生島(いくしま)新五郎が江戸の2世市川団十郎にあてて〈初松魚(はつがつお)からしがなくて涙かな〉と書き送った話が伝えられている。 和がらしの辛みは,配糖体シニグリンが酵素ミロシナーゼの作用で加水分解されて生ずるアリルイソチオシアネートによるもので,酵素は40℃で最も活性化するため,水でなく温湯で溶くほうがよい。…
※「生島新五郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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