白川夜船(読み)シラカワヨフネ

デジタル大辞泉 「白川夜船」の意味・読み・例文・類語

しらかわ‐よふね〔しらかは‐〕【白川夜船/白河夜船】

京都を見てきたふりをする者が、京の白河のことを聞かれて、川の名だと思い、夜、船で通ったから知らないと答えたという話によるという》
熟睡していて何も知らないこと。何も気がつかないほどよく寝入っているさま。
「こんなにきれいなけしきを―で通っちゃ損だからね」〈長与竹沢先生と云ふ人
知ったかぶり。
[補説]書名別項。→白河夜船
[類語]眠り睡眠ねんね快眠寝る安眠就眠睡臥すいが熟睡熟眠昏睡こんすい居眠り爆睡惰眠嗜眠夢寐一睡不眠枕を高くする寝溜め・寝つきが悪い・寝苦しい

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精選版 日本国語大辞典 「白川夜船」の意味・読み・例文・類語

しらかわ‐よぶねしらかは‥【白川夜舟・白河夜船】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しらかわよふね」とも。京都を見たふりをする人が地名白川(または舟の通わない谷川の名とも)のことを問われ、川の名と思って、夜船で通ったから知らないと答えたという話によるという )
  2. いかにも知っているような顔をすること。知ったかぶり。
    1. [初出の実例]「しら川よぶね 見ぬ京物がたり」(出典:俳諧・毛吹草(1638)二)
  3. ぐっすり寝込んでいて何が起こったか全く知らないこと。しらかわ。〔俳諧・大坂独吟集(1675)〕
    1. [初出の実例]「白川夜船(シラカワヨフネ)高鼾」(出典歌舞伎三題噺高座新作(髪結藤次)(1863)序幕)
  4. 何も知らぬこと。
    1. [初出の実例]「未来は仏と呑込で、やり放しに寄進して、年中寺はまりして内外の事も白河夜船(シラカワヨフネ)」(出典:談義本・教訓雑長持(1752)三)

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四字熟語を知る辞典 「白川夜船」の解説

白川夜船

ぐっすりと寝込んでいること、ぐっすりと寝込んでいて何が起こったのか全く知らないことのたとえ。また、いかにも知っているような顔をすること、知ったかぶりをすることのたとえ。

[使用例] 二度目に眼を覚ました時は七時をとうに過ぎていた。向こう側の二人はまだ白河夜舟である[円地文子*秋のめざめ|1957~58]

[解説] 「白川」は「白河」とも、「夜船」は「夜舟」とも書きます。「しらかわよふね」とも。昔、京都を見たふりをする人が地名の白川(または舟の通わない谷川の名とも)のことを問われ、川の名と思って、夜船で通ったから知らないと答えたという話によるといいます。

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