白張(読み)はくちょう

日本大百科全書(ニッポニカ)「白張」の解説

白張
はくちょう

平安時代以降、下級官人が着用した公服の一種。上着(はかま)が白麻布製で対(つい)になっており、上着は(あお)系で、狩衣(かりぎぬ)と同じ形の盤領(あげくび)、身一幅で脇(わき)を縫い合わさずあけられている。袴は四幅(よの)仕立ての小形で、(すそ)をすぼめるくくり袴。上着、袴とも夏冬通じて単(ひとえ)仕立てである。白張とは糊(のり)をつけて張りをもたせた白麻布という意味で、その生地(きじ)でつくった襖をも白張とよんだ。宮廷の小舎人(こどねり)、公家(くげ)や武家の供人(ともびと)の車副(くるまぞえ)や松明(たいまつ)持ちなどが着た。また、そういう人々をも白張(白丁)といい、この姿には烏帽子(えぼし)をかぶり、草鞋(そうかい)を履いた。

[高田倭男]

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精選版 日本国語大辞典「白張」の解説

しら‐はり【白張】

〘名〙
① 白布の表裏に糊(のり)を強くひいて仕立てた召具(めしぐ)の装束とする白布の狩衣の略称。白張装束
※宇津保(970‐999頃)祭の使「博士・四位には女のよそひ、五位にはしらはり一かさねづつ」
② 傘(かさ)や提灯(ちょうちん)、障子などが白紙張りのままであること。
※俳諧・牛飼(1658)二「挑燈も白はりなれや神祭り〈保友〉」

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デジタル大辞泉「白張」の解説

はく‐ちょう〔‐チヤウ〕【白張/白丁】

《「しらはり」を音読みにした語》
しらはり」に同じ。
傘持ち・くつ持ち・車副くるまぞいなどの役をする、1を着た仕丁じちょう
神事・神葬の際、白い衣を着て物を運ぶなど雑用に従事する者。
はくてい(白丁)

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世界大百科事典 第2版「白張」の解説

はくちょう【白張】

平安時代以降,下級官人が着用した衣服の一種。上着と袴が対(つい)になっており,上着は(あお)系で,盤領(あげくび),身一幅の単(ひとえ)仕立て,狩衣(かりぎぬ)と同じ形である。裾をすぼめる(くく)り袴をはく。白張とは白麻布にのりをつけて張りをもたせるという意味で,その生地でつくった襖も白張と呼ばれた。宮廷の小舎人(こどねり),公家や武家の供人の車副(くるまぞい)や松明(たいまつ)持ちなどが着た。

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