盆花(読み)ボンバナ

デジタル大辞泉 「盆花」の意味・読み・例文・類語

ぼん‐ばな【盆花】

盂蘭盆うらぼん山野から取ってきて盆棚に飾る花。キキョウオミナエシなど地方によって違いがある。 秋》

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精選版 日本国語大辞典 「盆花」の意味・読み・例文・類語

ぼん‐ばな【盆花】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 盂蘭盆(うらぼん)に、山や野から摘んできて、精霊棚に飾る花。多く、萩や桔梗(ききょう)を用いる。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「南無鵜川盆花ながれかはしけり」(出典:山響集(1940)〈飯田蛇笏〉昭和一四年)
  3. 植物ききょう(桔梗)」の異名

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改訂新版 世界大百科事典 「盆花」の意味・わかりやすい解説

盆花 (ぼんばな)

盆棚に供える花のこと。8月6日ころから12日ころまでの間に山へとりに行く。ミソハギを中心としたキキョウ,カルカヤ,オミナエシなどである。京都市内ではコウヤマキを盆花とする。江戸時代初めころから珍皇寺へ旧暦7月9日(今は月遅れの8月9日)に精霊迎えに行き,3回の鐘で迎えた先祖を境内売店で購入したコウヤマキにのせて帰るのである。盆花は祖霊依代(よりしろ)であった。これを13日まで井戸につるした後,蓮華や早稲穂をそえて盆棚に供える。大阪の藤井寺市でもコウヤマキを盆花とするが,仏壇に飾られた経木にはミソハギを用いて水たむけをしている。高知県の一部ではクリの小枝が盆花である。滋賀県大津市の旧志賀町北小松では盆花の中に稲の穂を必ずつけている。これにキキョウやソラマメカシの葉などの形をしただんごを供えているが,これも盆花の一種であろう。稲の穂については《塩尻》巻三十九にも〈田圃の初穂を懸〉とあり,これも重要な盆花の一つであったことがわかる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「盆花」の意味・わかりやすい解説

盆花
ぼんばな

盆に供える花。ききょう,おみなえし,みそはぎ,はぎ,ゆりなどを総称していう。最近では,はすなどの造花をも盆花と称している。古くは盆の 10日前後に山からとってきたもので,その行事を盆花迎えという。盆の精霊が盆花を依代 (よりしろ) として,山から家々へ迎えられるとされている。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「盆花」の解説

盆花 (ボンバナ)

植物。ヒガンバナ科の多年草,園芸植物,薬用植物ヒガンバナの別称

盆花 (ボンバナ)

植物。オミナエシ科の多年草,園芸植物,薬用植物。オミナエシの別称

盆花 (ボニバナ・ボンバナ)

植物。ミソハギ科の多年草,園芸植物,薬用植物。ミソハギの別称

盆花 (ボンバナ)

植物。キキョウ科の多年草,園芸植物,薬用植物。キキョウの別称

盆花 (ボンバナ)

植物。オトギリソウ科の多年草,薬用植物。オトギリソウの別称

盆花 (ボンバナ)

植物。ミソハギ科の落葉高木,園芸植物。サルスベリの別称

盆花 (ボンバナ)

植物。ヒユ科の一年草,園芸植物。センニチコウの別称

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世界大百科事典(旧版)内の盆花の言及

【草市】より

…盆市,花市ともいい,盆行事用品を売る市。この市に欠かせない品物は,祖霊の依代(よりしろ)と考えられる盆花と,精霊棚用の材料などである。盆花は,もともと山から採ってきたものであろう。…

※「盆花」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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