(読み)ワケ

デジタル大辞泉 「訳」の意味・読み・例文・類語

わけ【訳】

《「分け」と同語源》
物事の道理。すじみち。「のわからない人」「を説明する」
言葉などの表す内容、意味。「言うことのがわからない」
理由。事情。いきさつ。「これには深いがある」「どうしたきげんが悪い」
男女間のいきさつ。また、情事。「のありそうな二人」
(「わけにはいかない」の形で)そうすることはできない。筋道ではない。「やらないにはいかない」
(「わけではない」の形で)否定・断定をやわらげた言い方。「だからといって君が憎いではない」「別に反対するではない」
結果として、それが当然であること。
「やっと今度、その宿望がかなった―です」〈堀辰雄・美しい村〉
遊里しきたりや作法。
「色道の―を会得せねば」〈伎・韓人漢文〉
[下接語]言い訳入り訳内訳事訳しょ申し訳
[類語]理由いわれゆえん曰く意味原因事由所由訳合い訳柄もとたね起こりきっかけいん因由素因真因要因一因導因誘因近因遠因せい起因する基づく発する根差す事情諸事情根拠故由ゆえよし事訳ことわけ子細

やく【訳】

訳すこと。また、その文章や語句。翻訳。「英文に日本語をつける」「源氏物語の現代語
漢字の訓。
[類語](1翻訳訳出訳する適訳名訳抄訳直訳和訳邦訳完訳全訳誤訳意訳逐語訳対訳重訳定訳新訳初訳改訳点訳翻案吹き替え

やく【訳〔譯〕】[漢字項目]

[音]ヤク(呉) [訓]わけ
学習漢字]6年
〈ヤク〉他の言語に言いかえる。「訳載訳者訳出訳文意訳完訳誤訳重訳抄訳対訳直訳通訳点訳翻訳名訳和訳
〈わけ〉「事訳諸訳
[名のり]つぐ

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精選版 日本国語大辞典 「訳」の意味・読み・例文・類語

やく【訳】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 訳すこと。また、その訳した文字や文章。
    1. [初出の実例]「旧訳あり新訳ありといへども」(出典:正法眼蔵(1231‐53)転法輪)
    2. [その他の文献]〔司馬相如‐喩巴蜀檄〕
  3. 漢字を和訳すること。また、その訳した訓。和訓。よみ。訓。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「訳」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(旧字)譯
20画

[字音] ヤク・エキ
[字訓] わけ

[説文解字]

[字形] 形声
旧字は譯に作り、(えき)声。〔説文〕三上に「四夷の言を傳譯するなり」とあって、異言を通ずることをいう。〔礼記、王制〕に「東方を寄と曰ひ、南方を象と曰ひ、西方を狄(てきてい)と曰ひ、北方を譯と曰ふ」とみえる。は獣屍の解(とかい)(くずれて解ける)する象で、繹解(えきかい)の意がある。伝訳の官には〔国語、周語中〕に「舌人」の官があり、〔周礼、秋官、大行人〕に「象胥(しやうしよ)」の官があった。中国で、わが国の語を伝訳した辞書を「日本寄語」のようにいう。

[訓義]
1. やく、他国語の意味を伝える、うつしていう、訳語、翻訳。
2. わけ、意味を解く、詳しく説く、あらわす。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕譯 サヘヅル・ヲサム・ミル・ヨロコブ・トトノフ・ツタフ・ヲサ 〔字鏡集〕譯 ツタフ・ツタフルコヱ・トトノフ・アザケル・ヨロコブ・ヲサム・サヘヅル・ミル

[語系]
譯・・驛(駅)・繹jyakは同声。擇(択)deakも声義が近い。は獣屍の解する形。擇はそれを択びとる意。(えき)はめぐる、驛は駅伝、繹は糸をたぐり抽(ひ)く意。みなときほぐし、長く連なる意をもつ語である。

[熟語]
訳官訳経・訳語訳刻訳使訳士訳導・訳本
[下接語]
意訳・英訳旧訳・誤訳・細訳・抄訳・象訳・宣訳・全訳・重訳・直訳・通訳・翻訳・

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