日本大百科全書(ニッポニカ) 「砂漠土」の意味・わかりやすい解説
砂漠土
さばくど
desert soils
乾燥地域にみられる土壌型の一つ。地球上の全陸地に分布する土壌を、その生成環境、とくに植生の違いで森林土、草原土、砂漠土と大別するし方もある。砂漠に生ずる土壌の特色は、短い雨期や一時的な降水の際のナトリウム塩類、カルシウム塩類の溶解に続いておこるそれらの塩類の集積過程である。そのうちナトリウム塩の集積は、砂漠地方でも地下水の集まりやすい凹所に限られ、そこに塩類土やアルカリ土が生成するが、一般に乾燥地域でおこるカルシウム塩の集積は砂漠土のうちとくに行われ、石灰集積作用として表土層に炭酸カルシウムや硫酸カルシウムの白色集積物が生ずる。その集積位置や土層内の厚さのほか、降雨時に生育した叢林(そうりん)や乾性草本の分解腐植の残留程度により、有機物をまったく欠く砂漠土(狭義の)、わずかな腐植を有する灰色砂漠土、褐色土などに分類される。
[浅海重夫]