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磁石を重心で支えて水平軸の周りを回転させ、磁力線の方向(磁気子午線)を知る航海計器・航空計器。ジャイロコンパス(gyro compass)に対してマグネティックコンパス(magnetic compass)とよばれる。
磁石のさす北(磁北)と地理学的真北とは同一点ではないため、地球上のある点を通る磁気子午線は地球の子午線とは一致せず誤差を生じる。これを偏差(variation)といい、地球上の偏差量の分布状況はあらかじめ海図や航空図に記入されている。一方、コンパス自体のもつ取り付け誤差や永久磁気と感応磁気の影響により生ずる誤差があり、これを自差(deviation)といい、その値は船・機首方向によって変化する。この二つの誤差を修正して正しい方位を求める。
[青木享起・仲村宸一郎]
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…また地図(海図)作成が盛んとなり,地中海をはじめ,インド洋,アフリカ南方海岸についてもつくられ,航海の精度をあげるのに役だつものとなっていった。 このような航海の情報の質的向上に加えて,航海の方法を大きく変えたものとして,中世後半の磁気コンパスの導入があげられる。中国の指南針がこれにあたるが,曇天などのときに,北極星などによる方向を定めるのに使用されたようである。…
…
[方位の測定]
目的地点に向かう針路を定めるには方位の基準が必要である。磁気コンパスは地球の磁北を指す簡便な計器であるが,船内の鉄材が影響して自差を生ずる。この自差は船の針路によって変化するので,取扱いがめんどうなことから,中・大型の船では指北力も強く,針路を変更しても修正が不要で真北を指すことのできるジャイロコンパスが使用されている。…
…羅針儀,コンパスとも呼ばれる。船や航空機などで方位を測定するために用いられる器具で,原理から,磁石の指極性を利用して方位を知る磁気コンパスと,高速で回転するこまの運動を利用するジャイロコンパスに分けられる。磁石の指極性を最初に発見したのは中国で,おそくとも11世紀末には貿易船に備えられていた。…
※「磁気コンパス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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