福岡県中部、朝倉市(あさくらし)北部の一地区。ツゲの原生林で有名な古処山(こしょさん)の麓(ふもと)にあり、中世以来秋月氏17代の城下町であったが、豊臣秀吉(とよとみひでよし)による日向(ひゅうが)高鍋(たかなべ)への移封ののち、城も廃された。1623年(元和9)黒田長政の三男黒田長興(ながおき)が5万石で福岡藩の支藩として分封され幕末まで城下町として栄え、藩主の文教留意で多くの人材を出した。1876年(明治9)旧秋月藩士宮崎車之助(しゃのすけ)ら九州の士族が集まり、秋月の乱を起こした。現在、藩政時代の城門、堀、石垣などが残り、秋月郷土館もある。城跡は学校に、士族屋敷はナシ畑などに変わったが、城下町の名残(なごり)を町並みなどに残し観光地になっている。1998年(平成10)国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。
[石黒正紀]
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筑前国(福岡県)夜須郡の城下町。戦国時代末に秋月氏の城下として成立したが,秋月種実の移封により衰亡。1624年(寛永1)黒田長政の次男長興が5万石を分与されて入部,野鳥川を挟んで武家屋敷および町屋を配し,城下町として整備した。しかし地理的関係から城下町に集まる商品は少なく,産物も葛粉,元結,鬢付(びんづけ)ぐらいであった。幕末に原古処(こしよ)・采蘋(さいひん)父娘らの文人を輩出した。1893年町制。1954年甘木町などと合体し,甘木市となり,2006年朝倉市となった。
執筆者:野口 喜久雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
…福岡県中部の市。1954年甘木町,秋月町と安川,上秋月,立石,三奈木,金川,蜷城(ひなしろ),福田,馬田の8村が合体,市制。人口4万2702(1995)。…
※「秋月」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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