稲荷ずし(稲荷鮨)(読み)いなりずし

世界大百科事典 第2版の解説

いなりずし【稲荷ずし(稲荷鮨)】

甘辛く煮た豆腐油揚げを袋状に開き,酢飯を包んだもの。稲荷神の使女(つかわしめ)とされるキツネが油揚げを好むとするところからので,信太(田)(しのだ)森の〈の葉狐〉にこじつけて〈しのだずし〉とも呼ぶ。《守貞漫稿》によると,発祥地は尾張の名古屋で,江戸では天保(1830‐44)の末ごろから,鳥居の絵をかいた行灯を入れた稲荷ずし売りが夜の町々を売り歩いたという。当時は酢飯にキクラゲかんぴょうを具としてまぜていたが,いまではシイタケニンジン,さやエンドウ,れんこんなどを加えることが多い。

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世界大百科事典内の稲荷ずし(稲荷鮨)の言及

【すし(鮓∥鮨)】より

…魚貝などを米飯といっしょに漬けこみ,乳酸発酵させた貯蔵食品。または,酢で味をつけた飯に魚貝,野菜などを配した料理。前者はすしの原形とされるもので馴(な)れずし(熟(な)れずし)と呼び,現在の日本で代表的なのは〈近江(おうみ)のフナずし〉であろうが,東南アジアから中国の一部にかけてかなり広く行われているものである。後者は握りずしに代表されるもので,日本独特の米飯料理である。すしは,鮓,鮨,寿司,寿志,寿しなどと書かれるが,鮓と鮨のほかはすべて江戸中期以後に使われるようになった当て字であり,また,〈すもじ〉〈おすもじ〉というのは室町時代から使われた女房ことばである。…

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