突出・築出・吐出(読み)つきだす

精選版 日本国語大辞典 「突出・築出・吐出」の意味・読み・例文・類語

つき‐だ・す【突出・築出・吐出】

〘他サ五(四)〙
[一] (突出)
① 外へ突いて出す。また、追い出す。
※浄瑠璃・平家女護島(1719)三「杉戸開いてつき出せば」
② 物を勢いよく出す。前の方へ出るようにする。出す。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)前「飯を食て椀を突出(ツキダ)すと」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「下唇を突出(ツキダ)してムッと口を結んで」
③ 犯罪者などを、番所・警察などに連行する。
歌舞伎青砥稿花紅彩画(白浪五人男)(1862)三幕「さあ、これから二人とも、突出(ツキダ)してくんなせへ」
④ (自動詞的に用いて) 建物や、その一部を外の方へ向かって張り出して設ける。また、そのような地形にもいう。
※帰去来(1901)〈国木田独歩〉七「海に突出(ツキダ)してある離座敷
⑤ 突き出し③として初めて客を取らせる、または披露する。
洒落本・男倡新宗玄々経(1751‐64頃)「そも女郎の十四五よりつき出して新造ととなへ」
⑥ (江戸深川の遊里語から) 男女間の関係を断つ。あいそづかしをして手を切る。また、仲間はずれにしたりする場合にもいう。
黄表紙・御存商売物(1782)中「色はくろくても同じ仲間の黒本へやれば不足はなひと、娘とむこうづらへまわり、きさまをつきだす相談さ」
⑦ (自動詞的に用いて) 立ちあらわれる。勢いよく出る。くり出す。
浮世草子・浮世栄花一代男(1693)四「くだんの男四五人組して付出しお若衆を取まはし」
[二] (築出) 地盛をして地面を広くする。〔日葡辞書(1603‐04)〕
[三] (吐出) 細い所から急に強く外へ出す。吐き出す。
※梵舜本沙石集(1283)七「ある時女人病患重くして物狂なるを、此陀羅尼を誦しけるに、物をつき出したるをみれば」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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