競る(読み)セル

デジタル大辞泉 「競る」の意味・読み・例文・類語

せ・る【競る/×糶る】

[動ラ五(四)]
他人に負けまいと互いに争う。きそう。「僅少差で首位を―・る」
競り売りで、買い手が手に入れようと、争って値段を高くする。「仲買人が荷を―・る」
行商人が声を上げて売り歩く。行商する。
「首売らう首売らうと―・って歩くを呼び込み」〈咄・楽牽頭〉
[類語]競う競争比べる競合角逐かくちく勝負り合い競技プレー争う張り合う対抗するせめぎ合う渡り合う遣り合う先を争うしのぎを削る火花を散らす対決敵対向かう突っかかる挑む立ち向かうかかるぶつかる対する相手取る向こうに回す向こうを張る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「競る」の意味・読み・例文・類語

せ・る【競・糶】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 互いに勝ちを得ようとして争う。きそう。
    1. [初出の実例]「あまり目を競るまいぞ競るまいぞといふ」(出典:咄本・私可多咄(1671)二)
  3. 競争して買う。取引所や市場での取引で、自分のものとするため、買手がきそって価格をつりあげる。また、せり売りをする。
    1. [初出の実例]「これを望はないかとせりければ、六匁三分五リンづつに落ける」(出典:浮世草子・世間胸算用(1692)五)
    2. 「相場を糶(セ)る声が」(出典:生(1908)〈田山花袋〉一一)
  4. 行商人が売り声をあげて物を売り歩く。行商する。
    1. [初出の実例]「首売ろふ首売ろふと、せって歩行(あるく)を呼び込み」(出典:咄本・楽牽頭(1772)首売)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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