デジタル大辞泉 「争う」の意味・読み・例文・類語
あらそ・う〔あらそふ〕【争う】
1 相手にまさろうとして、また、何かを得ようとして張り合う。競争する。「優勝を―・う」「先を―・う」「一、二を―・う名騎手」
2 敵対する。戦う。けんかする。いさかいをする。「労使が―・う」「相続問題で兄弟が―・う」
3 少しの時間をも得ようとして忙しくする。急を要する意にいう。「手術は一刻を―・う」「寸秒を―・う問題」
4 自分の言い分を、正しいとして押し通す。「裁判で―・う」「黒白を―・う」
5 抵抗する。こばむ。→争えない
「春雨に―・ひかねてわが宿の桜の花は咲きそめにけり」〈万・一八六九〉
[可能]あらそえる
[用法]あらそう・きそう――「争う」には、「敵と争う」「労使が争う」「兄弟が遺産をめぐって争う」のように、互いに戦う、対立する、いさかいをする意味がある。この場合は「競う」は使えない。◇また、互いに張り合い、勝とうとする意味では両語とも使われるが、「首席を争う」「優勝を争う」など、ある目的のために張り合う場合は、ふつう「争う」が用いられる。◇「競う」は、「腕を競う」「技を競う」「カラオケ大会でのどを競う」「美しさを競う」のように、能力の優劣、物事の程度などを対象とする場合に多く使われる。◇「品質の優劣を争う(競う)」「勝敗を争う(競う)」「争って(競って)新製品を開発する」などの場合は相通じて用いられる。
[下接句]
[類語]揉める・競争・比べる・戦う・渡り合う・切り結ぶ・交戦する・