対する(読み)タイスル

デジタル大辞泉 「対する」の意味・読み・例文・類語

たい・する【対する】

[動サ変][文]たい・す[サ変]
二つのものが向かい合う。また、あるものに向き合う。「机を挟んで二人が―・する」「海に―・して建つ家」
ある対象に向かう。「家族に―・する思いやり」「将来に―・する期待
人に接する。応対する。「客に愛想よく―・する」
立ち向かう。相手にして争う。「最強チームに―・する」
対応する。応じる。「質問に―・する答え」「記事に―・して反響があった」
比較する。比べる。「プロに―・しても見劣りしない」
ついになる。「善に―・する悪」
[類語](1向き合う相対する面する向かう向く向かい合う正対せいたいする臨む直面する対峙たいじする/(4戦う挑む突っかかる向かう立ち向かうかかるぶつかる対抗する対決競争敵対相手取る向こうに回す向こうを張る競う比べる競合角逐かくちく勝負り合い競技プレー争う張り合うせめぎ合う渡り合う遣り合う先を争うしのぎを削る火花を散らす

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「対する」の意味・読み・例文・類語

たい‐・する【対】

  1. 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]たい・す 〘 自動詞 サ行変 〙
  2. 他のものに向かって位置する。互いに向かいあう。また、ある対象に向かう。
    1. [初出の実例]「同諸小郎、客中九日、対菊書懐」(出典:菅家文草(900頃)四)
    2. 「兼てこなた妹御を妻に申受る筈と吹聴せし上は、世間体へ対(タイ)申訳のない仕合」(出典:滑稽本東海道中膝栗毛発端(1814))
    3. 「人に対(タイ)すると言ひ度いことも言へなくなり」(出典:二老人(1908)〈国木田独歩〉下)
  3. 応じる。こたえる。
  4. 敵として相手に向かう。相手になって争う。抵抗する。敵対する。当たる。
    1. [初出の実例]「君にむかて弓をひき、主に対して太刀をぬく」(出典:平家物語(13C前)一一)
  5. (つい)になる。並ぶ。
    1. [初出の実例]「性は心に対してあるぞ」(出典:日本書紀兼倶抄(1481))
  6. あれとこれとを比べ見る。対比する。対照する。
    1. [初出の実例]「一向に耳遠く思ひて譏りいやしむは、ひとへに中古の歌のさまに対せられたる也」(出典:無名抄(1211頃))

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