立向う(読み)タチムカウ

デジタル大辞泉 「立向う」の意味・読み・例文・類語

たち‐むか・う〔‐むかふ〕【立(ち)向(か)う】

[動ワ五(ハ四)]
向かって立つ。向き合う。「壁に―・う」
正面から向かっていく。対抗する。「権力に―・う」
困難な物事に対して、まっこうから取り組んで、事の処理に当たる。「難局に―・う」
[類語]戦う向かう突っかかる挑むかかるぶつかる対する対抗する対決競争敵対相手取る向こうに回す向こうを張る競う比べる競合角逐かくちく勝負り合い競技プレー争う張り合うせめぎ合う渡り合う遣り合う先を争うしのぎを削る火花を散らす抗するあらがう抵抗する格闘する逆らう盾突く反抗する歯向かう手向かう蟷螂の斧窮鼠猫を噛む

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「立向う」の意味・読み・例文・類語

たち‐むか・う‥むかふ【立向】

  1. 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙
  2. 立って向かう。面と向かって立つ。
    1. [初出の実例]「丈夫(ますらを)のさつや手挿み立向(たちむかひ)射る円方(まとかた)は見るにさやけし」(出典万葉集(8C後)一・六一)
  3. ( 「たち」は接頭語 ) 手向かいする。対抗する。反抗する。
    1. [初出の実例]「まつろはず 立向(たちむかひ)しも 露霜の 消なば消ぬべく」(出典:万葉集(8C後)二・一九九)
    2. 「京童部の刀を抜て立向ける時」(出典:今昔物語集(1120頃か)一九)
  4. ( 比喩的に ) ある事態事柄に、恐れたり避けたりしないで堂々と取り組む。敢然と対処する。直面する。
    1. [初出の実例]「彼は此疑問に立(タ)ち向(ムカ)ふ前に」(出典:明暗(1916)〈夏目漱石〉一三三)

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