挑む(読み)イドム

デジタル大辞泉 「挑む」の意味・読み・例文・類語

いど・む【挑む】

[動マ五(四)]
こちらから戦いけんかなどをしかける。挑戦する。「論争を―・む」「決闘を―・む」
ある対象に立ち向かっていく。「処女峰に―・む」「新記録に―・む」
異性に言い寄る。関係を迫る。「酔った勢いで―・まれる」
張り合う。競争する。
「この盛りに―・み給ひし女御更衣、あるはひたすら亡くなり給ひ」〈朝顔
[可能]いどめる
[類語]突っかかる向かう立ち向かうかかるぶつかる対する対抗する対決競争敵対相手取る向こうに回す向こうを張る競う比べる競合角逐かくちく勝負り合い競技プレー争う張り合うせめぎ合う渡り合う遣り合う先を争うしのぎを削る火花を散らす・挑みかかる・挑戦するチャレンジアタック

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「挑む」の意味・読み・例文・類語

いど・む【挑】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
    1. 戦いや争いをしかける。挑戦する。立ち向かって行く。
      1. [初出の実例]「各河を中に挟みて、対ひ立ちて相挑(あひイドミ)き」(出典古事記(712)中)
      2. 「『よしよし、かう夜昼(よるひる)まゐりきては、いとどはるかになりなん』とて、いどみ、と許(ばかり)、助と物語りして」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
    2. 恋をしかける。言い寄る。関係を迫る。
      1. [初出の実例]「ながめゐたる間に、なまいどみて、ものなど言ふ人のもとより」(出典:平中物語(965頃)一)
      2. 「金をはたりて鬼九郎、仇吉をいどむ」(出典:人情本・春色辰巳園(1833‐35)四)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙 負けまいと張り合う。競争する。困難な物事に立ち向かう。「難問にいどむ」
    1. [初出の実例]「かやうの方にては、いどみ聞え給ひし名残(なごり)もおぼしいでて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)乙女)

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