篳篥・觱篥(読み)ひちりき

精選版 日本国語大辞典 「篳篥・觱篥」の意味・読み・例文・類語

ひち‐りき【篳篥・觱篥】

〘名〙 雅楽用の管楽器。大と小とあったが、現在残っているのは小篳篥で、長さ六寸(約一八センチメートル)の竹管に、前面に七個、後面に二個の指穴をあけ、指穴を除いた部分に樺の皮を巻き、上端の部分に舌(した)あるいは蘆舌(ろぜつ)と称する蘆(あし)製の二枚リードをさし込んだもの。西アジアに起こり、日本には奈良時代初期に中国から伝来した。音は鋭く、哀愁を帯びる。その大きく長いものを大篳篥というが、平安中期には廃絶。ひりつ。
西大寺資財流記帳‐宝亀一一年(780)「篳篥二口」
※枕(10C終)二一八「ひちりきはいとかしがましく」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android