粕(糟)漬(読み)かすづけ

改訂新版 世界大百科事典 「粕(糟)漬」の意味・わかりやすい解説

粕(糟)漬 (かすづけ)

酒かす,または,みりんかすに野菜魚介類その他を漬けこんだもの。ウリ類,ワサビ守口ダイコン,クジラの軟骨を漬けたものは,それぞれ奈良漬,ワサビ漬,守口漬松浦(まつら)漬と呼ばれる。古くから行われていたもので,《延喜式》にはウリ,トウガンナスカブなどの名が見られる。ふつう材料塩漬にしてから,かす床で本漬にする。使用する酒かすは,酒造期直後の新しい板かすがよく,これに10%程度の焼酎を振って貯蔵熟成し,この熟成かすに砂糖,みりんなどを加え,よく練りあげてかす床にする。
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百科事典マイペディア 「粕(糟)漬」の意味・わかりやすい解説

粕(糟)漬【かすづけ】

野菜,魚介,肉類等を酒粕に漬けたもの。酒粕にみりん,焼酎(しょうちゅう),塩を加えて床を作り,材料を漬け込む。奈良漬松浦漬ワサビ漬,守口漬などがある。→漬物
→関連項目酒粕(糟)

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世界大百科事典(旧版)内の粕(糟)漬の言及

【漬物】より


[種類]
 材料別にみると,野菜が最も多く,魚貝類がこれに次ぐ。漬床または漬液によって,塩漬,みそ漬,しょうゆ漬,酢漬,かす漬,こうじ漬,からし漬,ぬか漬などに分けられる。また,漬込み期間の長短によって当座(とうざ)漬と保存漬とに大別される。…

※「粕(糟)漬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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