福神漬(読み)フクジンヅケ

デジタル大辞泉 「福神漬」の意味・読み・例文・類語

ふくじん‐づけ【福神漬(け)】

材料7種を七福神になぞらえていう》漬物の一。ダイコンナスナタマメレンコンショウガ・シソの実などを刻み、みりん砂糖で調味した醤油に漬けたもの。
[類語]漬物お新香お香香香の物一夜漬け浅漬け古漬け糠漬け塩漬け味噌漬け西京漬け粕漬け奈良漬けわさび漬けべったら漬け沢庵漬け

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精選版 日本国語大辞典 「福神漬」の意味・読み・例文・類語

ふくじん‐づけ【福神漬】

〘名〙 漬物の一種大根茄子、なた豆、白瓜蓮根紫蘇の実、しょうがなどを細かく刻み、味醂醤油で下漬をしてから、水飴などを加えて、再び煮つめた味醂醤油に漬けたもの。
※東京風俗志(1899‐1902)〈平出鏗二郎〉中「近時福神漬(フクジンヅケ)と称ふるもの、茶漬の菜などに美(うま)しとて」

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改訂新版 世界大百科事典 「福神漬」の意味・わかりやすい解説

福神漬 (ふくじんづけ)

漬物の一種。ナス,ナタマメ,ダイコン,シロウリ,れんこん,シソ,ショウガなどを刻んで塩漬にし,それを塩抜きしたのち,みりんじょうゆに漬け込んだもの。1885年ころ東京上野池の端の酒悦(しゆえつ)が売り出したもので,平出鏗二郎の《東京風俗志》(1901)に〈近時福神漬と称ふるもの,茶漬の菜などに美(うま)しとて甚だ称せらる〉と見えている。福神漬の名は,7種の材料を用いたことと,不忍池(しのばずのいけ)の弁天社に近いところから七福神にちなんで命名したものという。その後,代表的な東京名物の一つとなり,カレーライスの付合せとして決りもののようになり,広く普及した。
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百科事典マイペディア 「福神漬」の意味・わかりやすい解説

福神漬【ふくじんづけ】

漬物の一種。ナス,ナタマメ,れんこん,ダイコン,シイタケ,シソ,ショウガなど,七福神になぞらえた七種の野菜を調味醤油に漬け込んだもの。明治初年,東京上野の酒悦の創製になるといわれる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「福神漬」の意味・わかりやすい解説

福神漬
ふくじんづけ

野菜を細かく切り調味液に漬込んだ食品。材料を7種使ったところから七福神にちなんで名づけられたという。漬込む野菜は大根,なす,なたまめを主材料にし,はす,しその実,竹の子,生姜,しいたけその他産地により異なる。収穫期の早い原料は塩漬や乾燥して貯蔵しておく。調味液は醤油,味醂,砂糖,水飴,酢,色素などを混ぜ合せたもの。

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世界大百科事典(旧版)内の福神漬の言及

【漬物】より

…ほかに魚を使ったものには,秋田のハタハタずしなどがある。(3)関東 東京のべったら漬や福神漬,栃木のたまり漬,神奈川県小田原の梅干しなどが知られている。福神漬はキュウリ,ナス,ダイコン,ナタマメなどをしょうゆを主体として調味液で漬けたもので,発売元が上野不忍池(しのばずのいけ)の弁財天に近かったことから,七福神にちなんで命名したものとされる。…

※「福神漬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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