出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
石上(いそのかみ)神宮(奈良県天理市)の神剣、布都御魂(ふつのみたま)の神格化。石上の神宝を管理した物部(もののべ)氏は、この剣で天皇の生命を増幅するとともに、この神を奉じて大和(やまと)平定の戦いに加わった。熊野(くまの)上陸後に失神した神武(じんむ)天皇を復活させたのもこの剣で、経津主神が出雲(いずも)をはじめ各地に祀(まつ)られ、また『日本書紀』の諸伝で国譲り交渉の主役となっているのはその一端の反映である。なお『古事記』は、火神殺害条におけるこの神の出現、および国譲り使者条そのほかすべてにおいて経津主神を排しており、剣神として建御雷神(たけみかづちのかみ)を重用するが、これはのちに建御雷神を氏の守護神とした藤原氏の関与による原伝承の改訂である。
[吉井 巖]
…千葉県佐原市香取に鎮座。経津主(ふつぬし)神(またの名,伊波比主(いわいぬし)命)を主祭神とし,比売(ひめ)神,武甕槌(たけみかづち)神,天児屋(あめのこやね)命を配祀する。経津主神は鹿島神宮の主祭神武甕槌神とともに,天孫降臨に先立って,この国土を平定したといわれる武神であり,社伝では神武天皇18年の創建と伝えているが,古代大和朝廷の東国経営のはじめ,その前進基地としてのこの地に奉斎されたことに始まる社とみられる。…
※「経津主神」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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