コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

国譲り神話 くにゆずりしんわ

2件 の用語解説(国譲り神話の意味・用語解説を検索)

世界大百科事典 第2版の解説

くにゆずりしんわ【国譲り神話】

大国主(おおくにぬし)神葦原中国(あしはらのなかつくに)を天照大神(あまてらすおおかみ)に献上した次第を語る神話。諸々の異伝があるが,《古事記》によると,葦原中津国平定のために高天原(たかまがはら)からは,はじめに天菩比(あめのほひ)神(天穂日命)が遣わされるが,オオクニヌシ親しみ3年たっても復命しない。次に天若日子(あめわかひこ)(天稚彦)が遣わされるが,オオクニヌシの娘下照比売(したてるひめ)と結婚してこれもまた復命せず,ついには高天原からの矢にあたって死ぬ。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国譲り神話
くにゆずりしんわ

天孫瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の降臨に先だち、高天原(たかまがはら)から国土の支配権委譲を求める使者が派遣され、大国主命(おおくにぬしのみこと)がこれを承認し、出雲(いずも)の多芸志(たぎし)の小浜に祀(まつ)られる(出雲大社)話である。『古事記』によれば、第一の使者、天穂日神(あめのほひのかみ)は大国主命に媚(こ)びて命(めい)を伝えず、第二の使者、天若日子(あめのわかひこ)も命を伝えず、問責使(もんせきし)の雉(きじ)を射たために神意によって矢に当たって死ぬ。最後の使者、建御雷神(たけみかづちのかみ)に対し、大国主命の子、事代主神(ことしろぬしのかみ)は委譲すべきと答え、建御名方神(たけみなかたのかみ)は力くらべを挑むが敗れて諏訪(すわ)湖に逃げ降伏し、かくして国譲りが決定する。
 各異伝を参照してみると、第一の使者、天穂日神は出雲臣(おみ)の祖神であり、「出雲国造神賀詞(くにのみやつこのかむよごと)」では大国主命を鎮め祀る重要な記事があり、本来、出雲臣が出雲大社の祭祀(さいし)権を掌握した伝承の主人公であった。第二の天若日子もその伝承の内容の検討から、本来は聖器の弓矢を持って降臨し、地上で再生する神であったと考えられる。第三の使者も、『古事記』では物部(もののべ)氏の剣神、経津主神(ふつぬしのかみ)を全部抹消し、他の異伝では経津主神を主とし、またこの神だけを報告者とするので、物部氏の平定戦を反映した経津主神の伝承の利用から建御雷神への改変のあったことがわかる。この改変の裏には、建御雷神を守護神とした藤原氏の関与が考えられる。事代主神は出雲の言代(ことしろ)(託宣)を反映するとしても、著名な大和(やまと)の葛城(かつらぎ)の神であり、建御名方神は諏訪湖の新しい神である。この2柱の神が、大国主神の祭祀と武力の両面を代表して国譲りを語っていることは、国譲り神話が出雲の服属神話ではなく、国津神(くにつかみ)の天津神(あまつかみ)への随順を語った神話、葦原中国(あしはらのなかつくに)奉献の神話であるととらえるべきであろう。[吉井 巖]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の国譲り神話の言及

【出雲大社】より

…さらに7世紀半ば過ぎの斉明朝に,対新羅・唐関係の緊迫したころ,朝廷から修築の命令が出されたが,これは杵築宮の大きな転機となったとみられる。こうした経緯の後に,中央の史局で《古事記》《日本書紀》の編纂がすすむと,その出雲国譲り神話で,この社の起源を語るようになったらしい。すなわち,《古事記》では,国譲りした大国主命のために多芸志(たぎし)の小浜に立派な宮をつくり,櫛八玉(くしやたま)命が膳夫となって神饌を供えたとし,《日本書紀》ではこの宮を天日隅宮(あめのひすみのみや)と呼び天穂日(あめのほひ)命を遣わして司祭者とした,と記している。…

【日本神話】より

…こうして天菩比(あめのほひ)神(天穂日命)や天若日子(あめわかひこ)(天稚彦)が遣わされるが,最後に派遣された建御雷(たけみかずち)神(武甕槌神)の力によって国津神事代主(ことしろぬし)神建御名方(たけみなかた)神は服従させられ,その父であるオオクニヌシは国譲りを誓う。これを〈国譲り神話〉という。 かくしてアマテラスとタカミムスヒは,あらためてアメノオシホミミの子邇邇芸(ににぎ)命(瓊瓊杵尊)にアメノウズメらの〈五伴緒(いつとものお)〉を従わせ,〈八尺勾玉(やさかのまがたま)〉〈鏡〉〈草薙剣〉をそえて筑紫の日向の高千穂に天降らせた。…

※「国譲り神話」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

国譲り神話の関連キーワード大国主神国譲り下照姫八上比売八千矛神葦那陀迦神蚶貝比売三穂津姫八千戈神大國

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

国譲り神話の関連情報