(読み)ワナ(その他表記)trap

翻訳|trap

デジタル大辞泉 「罠」の意味・読み・例文・類語

わな【×罠/×羂/輪奈】

縄や竹などを輪の形にして、その中に入った鳥や獣を締めて生けどりにする仕掛け。転じて、網や落とし穴など、広く鳥獣を捕らえる仕掛けをいう。
人をだまして陥れるための計略。「うまい話には―がある」
輪奈)ひもなどを輪状にしたもの。「―糸」「―織物
「―の頭を横さまに引き出す事は常の事なり」〈徒然・二〇八〉
[類語]策略計略作戦謀略はかりごと企み画策策動術策権謀陰謀謀計奸策詭計深謀遠謀深慮悪だくみ機略

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「罠」の意味・読み・例文・類語

わな【罠・羂・輪奈・綰】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 紐などを輪の形にしたもの。また、それを掛けること。
    1. [初出の実例]「わらはのさうぞくをいだすこと〈略〉かざみのまへひとつをひきいだして、はかまのうへにならぶるなり。〈略〉わなをみなむかひざまにいだすべし」(出典:満佐須計装束抄(1184)一)
    2. 「任重が頭(くび)に套(ワナ)していて行く」(出典:読本・英草紙(1749)三)
  3. 縄や竹などを輪の形にして、その中にはいった鳥や獣を締めて生けどりにするための仕掛け。転じて、広く網や落とし穴などをはじめ、鳥獣をおびき寄せてとらえるためのいろいろの仕掛けについてもいう。
    1. [初出の実例]「宇陀の 高城(たかき)に 鴫(しぎ)和那(ワナ)張る 我が待つや 鴫は障(さや)らず」(出典:古事記(712)中・歌謡)
  4. ( から転じて ) 他人をおとしいれるための計略。落とし穴。陥穽(かんせい)
    1. [初出の実例]「まげてこの処を走り出、這奴等(しゃつら)が罠(ワナ)を脱(まぬか)れ給へ」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)残)
  5. わなてん(輪奈天)」の略。

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普及版 字通 「罠」の読み・字形・画数・意味


10画

[字音] ビン
[字訓] つりいと・あみ・わな

[説文解字]

[字形] 形声
声符は民(みん)。字はもと网(もう)に従う。〔説文七下に「なり」とあり、魚釣り糸。またあみをいう。

[訓義]
1. つりいと。
2. あみ、うさぎあみ、いのこあみ、しかあみ。
3. わが国では、わなとよむ。

[古辞書の訓]
名義抄〕罠 アミ 〔字鏡集〕罠 アミ・ツリ

[下接語]
修罠

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「罠」の意味・わかりやすい解説


わな
trap

鳥獣や魚を捕獲するための仕掛け。罠を用いる猟法を罠猟という。餌で誘って籠や檻,落し穴に閉じ込めたり,また獣の通路に同様の仕掛けをしたり,針金や糸などのくくり罠やはさみ罠を仕掛けて捕獲するなどさまざまであるが,捕獲対象とする鳥獣の種類,いけどりにするかどうかによって,罠は選定される。現在,日本では罠猟は鳥獣保護および狩猟に関する法律によって規定され,罠を仕掛けて鳥類を捕獲することは禁止されており,獣類については甲種狩猟免許を受けることなど,各種の規制がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「罠」の意味・わかりやすい解説

罠 (わな)

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