群雲・叢雲・村雲(読み)むらくも

精選版 日本国語大辞典 「群雲・叢雲・村雲」の意味・読み・例文・類語

むら‐くも【群雲・叢雲・村雲】

[1] 〘名〙 にわかに群がり集まる雲。幾重にも群がって動く雲。
源氏(1001‐14頃)野分「風騒ぎむら雲まがふ夕にも忘るるまなく忘られぬ君」
[2] 「むらくも(叢雲)の剣(つるぎ)」の略。
[補注](一)は「叢雲や月の隈をばはらふらん晴行くたびに照りまさるかな〈源俊頼〉」〔金葉‐秋〕、「むら雲のしぐれてそむる紅葉々はうすくこくこそ色も見えけれ〈覚延〉」〔千載‐秋下〕のように、和歌では「月」や「しぐれ」とともに詠まれることが多い。

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