鉄床雲(読み)カナトコグモ

デジタル大辞泉 「鉄床雲」の意味・読み・例文・類語

かなとこ‐ぐも【鉄床雲】

雲頂水平に広がり、鉄床の形をした積乱雲 夏》
[類語]浮き雲千切れ雲片雲横雲棚雲豊旗雲笠雲飛行機雲筋雲鰯雲鯖雲鱗雲薄雲羊雲群雲朧雲積み雲綿雲入道雲雲の峰

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精選版 日本国語大辞典 「鉄床雲」の意味・読み・例文・類語

かなとこ‐ぐも【鉄床雲】

  1. 〘 名詞 〙 かな床の形のように上部が平らになった状態の積乱雲。退けば西風が強く吹き、立ちのぼれば雨となるという。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「東の方に築地をつきたる如く立つ白雲を、かなとこ雲といふよしなり」(出典:雲のいろいろ(1897)〈幸田露伴〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鉄床雲」の意味・わかりやすい解説

鉄床雲
かなとこぐも

積乱雲の上部にできる水平に広がった雲。鉄雲とも書く。積乱雲の内部で発生した微小な氷晶上昇気流によって上空に運ばれ、圏界面にぶつかって水平に広がったもの。対流圏上部は風が強いので、積乱雲より風下側にたなびいて、鉄床(金敷(かなしき))のような形に見える。風上側から見るとアサガオの花のようにも見えるので、朝顔雲ともいう。アンビルanvilということもある。台風集中豪雨に伴う積乱雲の鉄床雲は非常に発達して、その下で降水が生じることもある。

[木村龍治]

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百科事典マイペディア 「鉄床雲」の意味・わかりやすい解説

かなとこ(鉄砧)雲【かなとこぐも】

積乱雲の雲頂が水平に広がって,かなとこ(金敷)の形になった部分。この部分は氷晶からなる白い巻雲で,積乱雲のかなり発達した段階に現れ,下ではしゅう雨や雷が発生する。

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世界大百科事典(旧版)内の鉄床雲の言及

【雲】より

…ときにしゅう雨を伴う。積乱雲はかなとこ雲,または入道雲ともいい,積雲の発達したものである。そして鉛直にドーム状またはかなとこ状に発達し,ときに成層圏までのびる。…

※「鉄床雲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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