(読み)チョウ

デジタル大辞泉 「聴」の意味・読み・例文・類語

ちょう【聴〔聽〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]チョウチャウ)(呉) [訓]きく ゆるす
耳をすまして聞く。聞き取る。「聴覚聴講聴取聴衆謹聴傾聴視聴静聴盗聴難聴傍聴来聴公聴会
聞き入れる。ゆるす。「聴許聴納
[名のり]あき・あきら・とし・より
難読聴牌テンパイ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「聴」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 17画

(旧字)聽
人名用漢字 22画

[字音] チョウ(チャウ)・テイ
[字訓] きく・おさめる・ゆるす・まかせる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
旧字は聽に作り、耳+(てい)+(徳)の旁(つくり)。は人の挺立する形。挺立する人の上に、大きな耳を加え、耳の聡明なことを示す。聡明の徳をいう字。金文には耳と(さい)(祝詞の器の形)とに従う字があり、神に祈り、神の声を聞きうることをいう。(聖)は、聽の字のに代えて、を加えたもの。神の声を聴きうる者をという。〔説文〕十二上に「聆(き)くなり」とし、声とするが、は人の挺立する形で、声ではない。神の声を聴きうるものがであり、その徳を聽といった。はおおむね神瞽(しんこ)であった。

[訓義]
1. きく、神の声をきく、ききとる。
2. ききおさめる、うける、したがう、ゆるす、まかせる。
3. さだめる、おさめる、さばく。
4. 庁と通じ、役所。

[古辞書の訓]
名義抄〕聽 キク・ユルス・コトハル・ウケタマハル 〔字鏡集〕聽 ユルス・キク・ウケタマハル・コトハル・タツ

[語系]
聽・廳(庁)thyengは同声。(廷)dyengは廳と声義近く、その金文の字形は、中廷の土主に鬯酒(ちようしゆ)(におい酒)を(そそ)いで神霊をよび降す鬯(かんちよう)の儀礼を示す。神を降して、そこで神の声を聴き、神意を察して政治を行った。そのことを聽・(聡)といい、その所を廳という。tsong、sjiengもまた、そのことと関係のある語である。

[熟語]
聴允・聴雨・聴聴瑩・聴覚・聴許・聴決・聴言聴侯・聴講・聴獄・聴罪聴察・聴視・聴事・聴失・聴者・聴取・聴受・聴衆聴従・聴順聴訟・聴松・聴政・聴雪・聴説・聴断・聴治・聴朝・聴徹聴濤・聴任・聴納聴冰聴聞・聴命・聴用聴容・聴覧聴聆
[下接語]
玩聴・凝聴・謹聴・敬聴・傾聴・公聴・細聴・視聴・上聴・信聴・聖聴・静聴・側聴・諦聴・天聴・難聴・拝聴・俯聴・風聴・傍聴・妄聴・夜聴・来聴・覧聴

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android