(読み)ひざ

精選版 日本国語大辞典「膝」の解説

ひざ【膝】

〘名〙
① ももとすねを連結する身体部位の一つ。
正倉院文書‐天平一二年(740)越前国江沼郡山背郷計帳「弟江沼臣族荒人〈〉右足比佐上疵」
浄瑠璃源平布引滝(1749)五「死損ひのうっそりめとどうど蹴倒し銘々が、膝(ヒザ)に堅る向ふより」
② 坐っている状態で、ひざがしらから、またまでの間。ももの表がわ。転じて、脚。
万葉(8C後)五・八一〇「いかにあらむ日の時にかも声知らむ人の比射(ヒザ)の上わが枕かむ」
源氏(1001‐14頃)若紫「いまさらになどしのび給らむ。このひざのうへにおほとのごもれよ。いますこしより給へ」
③ 菓子有平糖(あるへいとう)の形の一つ。
[補注]中世以後、「ひざかしら(膝頭)」「ひざぐち(膝口)」「ひざのさら(膝皿)」「ひざぶし(膝節)」「ひざぼね(膝骨)」のように関節部を特定した名称が現われるのは、①と②に、古来明確な区別がないためであろう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)「膝」の解説


ひざ

下肢(かし)の大腿部(だいたいぶ)から下腿部に移行する中間部分をさすが、その範囲は明確なものではない。膝蓋骨(しつがいこつ)から3横指ほど上方の位置から脛骨(けいこつ)粗面の上縁の位置までを膝(膝部(しつぶ))と考えるのが一般的である。前側が前膝部、後側が後膝部である。前膝部の大部分は膝蓋骨が占めており、この部分を膝蓋(ヒザガシラ。解剖学では片仮名表記)とよぶ。後膝部には膝を曲げると顕著になる菱形(ひしがた)のくぼみがあり、膝窩(しっか)とよぶ(ヒカガミともいう)。膝窩には大腿動脈、大腿静脈が大腿前面から入り、膝窩動脈、膝窩静脈となる。このほか、膝窩には複数の神経、リンパ管が含まれている。膝の屈曲運動をする膝関節は、大腿骨と脛骨とで構成されている一軸性の蝶番(ちょうつがい)関節である。

[嶋井和世]


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デジタル大辞泉「膝」の解説

ひざ【膝】

ももとすねとの境の関節部の前面。ひざがしら。「をすりむく」「まで水につかる」
座ったときの、ももの上側にあたる部分。「荷物をにのせる」
[下接語]片膝小膝り膝立て膝突き膝回り膝もろ・両膝・割り膝
[類語]膝頭膝小僧

しつ【膝】[漢字項目]

常用漢字] [音]シツ(漢) [訓]ひざ
ひざ。「膝下膝行

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百科事典マイペディア「膝」の解説

膝【ひざ】

大腿(だいたい)から下腿への移行部。膝(しつ)関節を中心とし,この部につく筋肉(けん)を皮膚が包む。前面は膝蓋骨のために丸い隆起をつくり,後面はくぼみで膝窩(しっか)(ひかがみ)と呼ばれる。

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