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自己血輸血 じこけつゆけつautotransfusion

翻訳|autotransfusion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

自己血輸血
じこけつゆけつ
autotransfusion

患者が手術前に自分の血液を採取,保存しておき,自分自身に輸血する方法。他人の血液でないため,輸血後に肝炎やエイズなどウイルス感染症移植片対宿主病 (GVHD) などの免疫疾患を起す危険性はない。緊急性がなく輸血量が予測できる外科手術で特に応用されている。自己血輸血タイプとしては,(1) 状態がよいときにあらかじめ採取,保存して手術時に使用する方法,(2) 術中,術後に出血した血液を回収したのち,濾過,洗浄して患者に戻す方法などがある。厚生省の検討会は 1989年,自己血輸血の推進などを提言している。

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デジタル大辞泉の解説

じこけつ‐ゆけつ【自己血輸血】

患者自身の血液を輸血すること。手術前に採血しておく方法や、手術中の出血を回収して輸血する方法などがある。他人の血液を輸血する場合に比べて、感染症免疫反応による副作用の危険が少ない。自己輸血

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百科事典マイペディアの解説

自己血輸血【じこけつゆけつ】

輸血を患者自身の供給血液,あるいは出血した血液の再利用によって行う方法。稀な血液型患者に行えるほか,輸血による免疫反応やエイズ肝炎などの感染症が予防できるなどの利点がある。
→関連項目移植片対宿主反応病無輸血手術

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世界大百科事典 第2版の解説

じこけつゆけつ【自己血輸血 retransfusion】

自己血輸血とは,手術に先立ってあらかじめ自分の血液を採血しておいて,手術の際にその血液を輸血したり,あるいは手術中に体腔内に出血した血液を採取してその患者に輸血する方法をいう。自己血輸血の利点としては,同種血の使用による副作用,とりわけ輸血後肝炎の予防,抗白血球抗体・抗血小板抗体産生の防止や,まれな血液型をもっている患者や多数の赤血球抗体をもっていて適合血を見つけるのが困難な場合などへの適用がある。

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大辞林 第三版の解説

じこけつゆけつ【自己血輸血】

手術前や手術の麻酔後に採血、あるいは手術中の出血を回収することにより自己の血液を輸血する方法。感染症や非適合などの危険を排除できる。自家血輸血。返血法。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

自己血輸血
じこけつゆけつ

自家輸血ともいう。患者が手術前などに自分の血液をとって冷凍保存しておき、輸血時に利用するシステム。1989年(平成1)6月、厚生省(現厚生労働省)の輸血療法検討会報告書が積極的評価をし、同省も日本赤十字社の血液事業に加える方針を固めた。大手病院の1割に普及している。エイズや輸血後肝炎などの問題から世界的に注目され、アメリカには専用の血液銀行もできている。[田辺 功]

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世界大百科事典内の自己血輸血の言及

【輸血】より

…かつては採血されたそのままの,いわゆる全血輸血が行われたが,現在では,血球や血漿などの血液成分を輸血する成分輸血が行われるようになった。また,新生児などに対し,循環血液のほぼ全量を健康な血液で置き換える交換輸血や,あらかじめ自分の血液を採取しておいて,手術などに際して用いる自己血輸血などもある。
[輸血の歴史]
 動物から動物への輸血は1665年にイギリスのローワーRichard Lower(1631‐91)がイヌで行ったのが初めであり,67年にローワーは同僚のキングKingとともにヒツジの血液をヒトに注射し,また同年フランスのドニJ.Denisは貧血治療のために動物の血液をヒトに輸血した。…

※「自己血輸血」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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