船医(読み)センイ

大辞林 第三版の解説

せんい【船医】

船に乗り組み、乗客・乗組員などの病気・けがに備える医師。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

船医
せんい

一般に船内で乗組員や乗客の医療に従事する医師をいう。航海中の船舶は陸上から孤立し、独立した社会を形成しているため、ここで生じた保健問題のすべては船内で処理しなければならない。しかも船員は生活の場と職場とが同一で、変則的な食事と睡眠とを余儀なくされる海上生活の特殊性から、陸上他業種に比べ、災害事故や疾病の発生率が高い。このため、専門的な技術や資格を要する医療については船員法(昭和22年法律100号)で、「3000トン以上で最大搭載人員100名以上の船舶や3000トン以上または100名以上乗員のいる母船式漁船のように、医療の確保がとくに必要な船舶については、船舶所有者が船内にその母港で開設許可を受けた診療所を設け、そこに医師を乗り組ませなければならない」と規定されている。この規定を受けるのが船医である。船医はこのほか、船員の健康管理や保健指導、船内の作業環境や居住環境の衛生保持、食料や用水の衛生保持、医薬品その他の整備および点検など、船内の衛生管理に関する業務に従事しなければならない。最近、船舶の大型化、省力化に伴い船員の労働条件は悪化しがちであり、船医の役割はますます大きくなっているが、人件費節減のため、法的に船医の配置を要する船舶対象が削減され、船医の人員は減少傾向にある。しかし大型客船の場合は、乳幼児から老人に至るまで、多数の乗客を長時間収容するため、船医の役割はとみに大きくなった。[春日 齊]

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